映画業界人インタビューVol.5 株式会社ゲオ メディア商品部 メディア営業企画課 松岡良房さん【前編】
Category : 映画業界人インタビュー , ブルーレイ/DVD , 大学生・専門学校生
【映画業界の方にインタビュー】第5弾は、エージェントのおこめとパン、TAKEが取材しました。今回も2回に渡ってお届けします。
アルバイト時代に社内のコンテストでグランプリを受賞して社員に!
TAKE:お仕事の具体的な内容を、簡単に教えてください。
松岡さん:主にレンタル映像、レンタルCD、レンタルブック、音楽などの新品中古商品のの売り場、販売促進に携わっています。店頭のプロモーションが中心です。
おこめとパン:店頭のプロモーションというのは具体的にどんなことをするのでしょうか?
松岡さん:時期に合わせてオススメの作品を選んで商品を陳列します。それに連動して、店内放送やWEBページの調整をしていきます。バイヤーさんが仕入れてきたものをどう売るかということを常日頃考えていますね。
局長:扱うジャンルが広いですよね。
松岡さん:そうですね。知識はある程度必要ですが、チームのフォローを受けながら業務を進めています。
おこめとパン:この業界に入ろうと思われたきっかけと、今のお仕事に就かれた経緯を教えて頂けますか?
松岡さん:僕はもともと、大学生の時にゲオで働いていて、映画をひたすら観て好きになりました。大学4年生の時に、一応は小売業界で内定を頂いていたのですが、あまり気が進まなくて(笑)、映画の仕事をしたいなあと思ったので、卒業した後2年間くらい、そのままフリーターとしてゲオでアルバイトをしていました。ゲオでは2012年度から年に1回、社員もアルバイトも全員対象の社内アイデアコンテストを実施しているのですが、当時お客さんに「あまり時間が無くて映画を観られないんだよね」というご意見を聞いていたこともあって、時間が短い映画を紹介する、“90分映画”というコーナー組のアイデアを出したんです。採用されるとは思っていなかったんですけど、たまたま最終選考までいって、実際に社長ともお話しする機会があったんです。社長を目の前にして、ずっと映画の話をバーッとしてしまったんですが、内容と映画への想いみたいなものが評価されたようで、グランプリ(最優秀賞)を頂きました。その時までは九州の店舗で働いていたのですが、「社員になってみないか?」と声をかけて頂いて、名古屋の本社で社員として働くことになりました。。
一同:シンデレラストーリー(笑)!
おこめとパン:では、学生の頃にやっていて、今のお仕事に役立っていることとか、映画業界を目指している私達のような学生が、学生のうちにやっておいたほうが良いことはありますか?
松岡さん:映画が本当に好きなら、絶対にたくさん観ておいたほうが良いと思います。僕はゲオで働いていたので、フリーターの頃は、年間500本くらい観ていましたね。
おこめとパン:えー!すごい…。
松岡さん:それでも社会人になって、会社の先輩に「お前の映画の知識なんて全然だぞ」とか、「こんな映画しか観てないのか」「これも知らないのか」という洗礼を浴びました(笑)。でも、映画の話ってどんな人にも共通でできると思うので、仮に映画業界に就職するのでなくても、観ていて絶対役に立つと思います。
TAKE:確かに。
おこめとパン:映画を好きになるきっかけとなった作品はありますか?
松岡さん:高校生くらいから邦画が好きだったんですよ。詳しくなりたいとかは全く思わずに観ていたんですが、当時は邦画至上主義でしたね。洋画は、字幕と吹き替えで100%ニュアンスが違うけど、それに比べて邦画は日本語だから最強だと思っていました。でも、いざ洋画を観たらおもしろいなーって。親がすごく映画が好きで、子どもの頃に家で『ゴジラ』とかを観る環境もありました。ビョークを好きだった親の影響で、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とかも観ましたね。あんな内容だとは知らずに(笑)。
局長:衝撃的な内容ですものね(笑)。
おこめとパン:学生でまだ映画に目覚めていない人だと、入口としてオススメの作品はありますか?
松岡さん:入口としてオススメは、弊社でもよく借りられている作品で、WEBで“おもしろい映画”って調べても出てくるような作品です。『ショーシャンクの空に』『バタフライ・エフェクト』、最近で言うと『ゴーン・ガール』とか。リリースされてから時間が経っても借りられているのは、そういう作品ですね。『ローマの休日』とかでも、(直近2カ月間の)年代別のレンタル実績で見ると若い方のほうが観ていたり、『ショーシャンクの空に』も若い方が多く観ています。名作と言われるものは、やっぱり何周も回って、観られているんだなと思います。あと、『マイ・インターン』は入口としてオススメです。男女の視点も入っているし、ラブストーリーっぽいけど、中身はハートフルなドラマなので鼻につかないというか。入口として観る映画で、嫌な気持ちになって欲しくないなと思うと、これは温かい映画で悪い人も出てこないんですよね。そこから次に、アン・ハサウェイの他の映画を観ていったり、派生していって欲しいなと思います。邦画は今だと、是枝監督の映画はぜひ観てほしいですね。カンヌ国際映画祭で受賞して話題にもなりましたしね。
今回の記事担当:おこめとパン
【取材しての感想】
終始笑いの絶えない楽しいインタビューでした!どんなに「自分には合わないかも」と思う食わず嫌いな映画でも、「うわ、気になる!」と変えてくださるのが松岡さんです。意識せずとも自然にお客様目線で、「こういうことを聞きたかった~」という気持ちでいっぱいになりました。もっともっと、松岡さんのオススメ映画をお聞きしたいです!ありがとうございました。
取材日:2018年6月5日
松岡さんは、毎月3企画×12ヶ月、作品でいうと年間36企画×100本にも及ぶ種類のコーナー組を考えたりすることもあったそうですよ。これは本当にたくさん映画を観ていてなんぼの世界ですが、大変だけれど、映画好きにはたまらないお仕事にも思えます。→【後編を読む】
★お知らせ
ゲオ店頭では、2018年8月31日(金)までの期間、『未来のミライ』の公開にあわせて、細田守監督が過去に影響を受けた映画や今まで制作した映画の参考となった作品を集めた「スタジオ地図推薦:夏に見るべき映画」コーナー を設置しています。
推薦作品の一覧はゲオオンラインにも掲載しています→こちら
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