2013年12月7日より全国公開
東映
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本作は小説【利休をたずねよ】を映画化した作品です。原作は読んでいませんが、映画のベースは千利休の歴史に基づいて描かれていて、千利休の美意識のルーツの部分に仮説が立てられた物語となっています。実際に千利休の美へのこだわりは織田信長や豊臣秀吉でさえも一目置いたほどのようで、劇中では何でもないお盆に水を入れてその水面に月を映すなど、おもしろい美の演出を観ることができます。 正直なところ千利休のイメージが市川海老蔵と合うのか心配でしたが、実際に映画を観たら「なるほどな〜」と感心しました。前半は茶人らしい静かな佇まいの千利休ですが、物語の後半になると一気にトーンが変わり、走り回ったり大きな声を出したりかなり大胆な行動が多くなっていき、素の市川海老蔵のちょっとやんちゃなイメージに近いようにも思えました。また本作には市川團十郎が特別出演をしていて、親子共演のシーンがあるところもポイントです。物語のなかでは師弟関係にある役柄で、歌舞伎の世界でも親子とはいえ師弟関係があるのでその辺が妙にリンクしてしまうのも感慨深かったです。 歴史が苦手な方でも十分に楽しめる作品ですし、クライマックスから遡っていくタイプの作品なのでだんだんと真相がわかっていく展開にかなりハラハラします。歴史、千利休、お茶というイメージにとらわれず観て欲しいと思います。 |
デートで観ても大丈夫です。歴史ものではありますが、現代的なロマンチックなシーンもあるので十分に共感できると思います。千利休の茶人としての生き様、美の追求、織田信長や豊臣秀吉との関係性などそれぞれ楽しめますし、何よりも人間ドラマがだんだんと展開していく話なのでいろいろな視点から楽しんで欲しいです。観終わってからそれぞれの見解を話し合うのもおもしろい作品ですよ。 |
小学校の授業で千利休の時代をすでに習っているキッズなら、親近感を持って観ることができるでしょう。ですが実話の部分と作られている部分との堺い目がわからなくなってしまうと、万が一テストで出題されたら間違った回答をしてしまう可能性があるので(笑)、あくまで仮説として作られている箇所があるということをしっかりとわかった上で観るようにしてください。ティーンは歴史上の事実も踏まえつつ、人間ドラマを中心に観て千利休の人間としての深みやものの見方や考え方を学ぶことができるでしょう。 |
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©2013「利休にたずねよ」製作委員会
2013.9.11 TEXT by Shamy