『利休にたずねよ』完成報告会見、市川海老蔵、中谷美紀、田中光敏監督
2013年7月10日、『利休にたずねよ』の完成報告会見が行われました。本作は亡き市川團十郎が特別出演し、市川海老蔵と共に親子共演がしていることでも注目を集め、この日の会見でも親子共演についての質問がたくさん出ていました。市川海老蔵は監督や中谷美紀と楽しそうにやり取りしつつも、真剣に本作への思いと父への思いを語りました。
市川海老蔵はこの映画の話をもらったときの感想について「最初にこの映画のお話を頂いたのは2年半前なのですが、監督と脚本家の方から手紙を頂き千利休の役を僕にやって欲しいと書かれていました。原作を読んでも千利休役は僕じゃないだろと思っていたので、そのときは丁重にお断りしました。ですがまた手紙を頂き、今度は監督と原作者に会うことになりました。実際に会ったときも僕は“利休役は僕ではない”と話したのですが、監督は“パッションだ!”とわけのわからない横文字を出してきて僕も“あぁパッションか”と何となくやる方向に気持ちが向いていきました(笑)」とコメントし、一方監督は「海老蔵さんには本当に出て頂きたくて、何とか引き受けてもらいたかったんです。願いが叶って本当に嬉しかったです。そして中谷さんにも出演してもらいたくて、早い段階でお願いしたところすぐに快諾してくれてとても嬉しかったです。僕も原作者も2人にやって欲しいという気持ちが同じで、2人に今回演じてもらうことができてとても感慨深く思います」と話しました。市川海老蔵の出演には苦労したようですが監督のパッションの意味がわかるくらい、本作での千利休役は市川海老蔵にぴったりの役柄となっています。
また千利休の妻役を演じた中谷美紀は「私は10代の頃から伊藤園さんの【お〜いお茶】という商品の広告をさせて頂き、常に自分の女優人生がお茶と共にありました。私自身お茶に親しみがあり、この作品のお話を頂いたときは本当に嬉しいと思いました。利休を演じるのが平成の狼藉者の海老蔵さんだったので、周囲からは大丈夫かという意見もあったのですが(笑)、私はこの役を必ず演じてこの作品を良い作品にしてみせると思っていました」と話しました。中谷美紀とお茶のイメージは一般的にもかなり定着していますよね。映画のなかでも千利休の妻としてお茶をたしなむ姿がとても素敵でした。
さらに市川團十郎との共演について市川海老蔵は「父は自分の演じる武野紹鷗(たけのしょうおう)の資料をものすごくたくさん用意して研究していました。たった3〜4シーンではあったのですが、監督ともかなり話し込んで役を作っていました。もしかしたら父はこの映画が公開するときには自分の命がないのではとどこかで認識していたのではという節もあったので、この作品を改めて観ると何とも言い表せない気持ちになります」と語りました。劇中では2人は師弟関係を演じていますがどこか親子関係と通じるものがあり、つい実際の2人と重ねて観てしまいました。
市川海老蔵が会見中、丁寧に話す中谷美紀の様子を見て笑い、それに対して中谷美紀が「何笑ってるんですか。海老蔵さん!」とちょっとツッコミを入れていた様子がおもしろかったです。本作は千利休が茶人となったルーツを辿っていく物語ですが、千利休やこの時代背景に詳しくなくても十分楽しめる作品です。ぜひ平成の狼藉者と称された市川海老蔵がどう千利休役を演じているのか注目して観て下さい。
『利休にたずねよ』
2013年12月7日より全国公開
配給:東映
©2013「利休にたずねよ」製作委員会
トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定
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