実存する“前田建設ファンタジー営業部”の実話を基に映画化。ユニーク過ぎて、憎い!そして、営業部の面々とプロジェクトを支える人達の熱意にさらに共感。何もかもが素敵過ぎて、こういう人達、こういう会社がある日本はまだまだ捨てたもんじゃないなと元気をもらえます。本作でファンタジー営業部は、アニメのマジンガーZの格納庫を現実に作ったら…というプロジェクトのもと、実際に設計したり、見積もりをします。その現実への落とし込みの過程で、アニメがいかにぶっ飛んでいるかがわかるのもおもしろい点で、ある意味むちゃくちゃな構造をグループのメンバーや関係者が本気で現実化しようと奔走する様子がとてもドラマチックに描かれています。本作を観て、ふとナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」(ロングベストセラー本ともなっています)という言葉を思い出しましたが、誰かが現実的に考えられたなら、きっといつかは実現するんだろうなと夢が膨らむのは私だけではないはず(笑)。おぎやはぎの小木をはじめ、キャスト達のコミカルな演技、英勉監督の手腕も光る、笑える作品になっています。働く人にも、これから社会に出て働く若者達にもぜひ観て欲しいです。
働く人達の熱き姿がまぶしい作品ですが、お説教じみた内容ではなく、一見無駄に思えることに一生懸命取り組む、働く人のピュアな姿に共感できるストーリーです。組織で働く人が共感できるのはもちろん、誰でも楽しめるエンタテインメント作品なので、どんなカップルのデートで観るのもオーケー。ちらっとロマンスもありますが、気まずいことは全くないのでご安心を。
男女共に活躍するし、“前田建設ファンタジー営業部”だけでなく、他の部署の人や、グループ会社の人、外部の企業など、さまざまな立場の人が登場するので、キッズやティーンの皆さんも、会社員ってこういう関係性の中で働いているんだなと、職場体験をする感覚で観られるでしょう。「アニメの世界に出てくるものを実際に現実で作ってみたらどうなのか」という発想自体とてもユニークで、本作を楽しむと同時に、自分ならこれを現実化したいなんて想像も膨らみ、発想力、創造力が磨かれるかも知れません。
『前田建設ファンタジー営業部』
2020年1月31日より全国公開
バンダイナムコアーツ、東京テアトル
公式サイト
TEXT by Myson
©前田建設/Team F ©ダイナミック企画・東映アニメーション