思った以上に伏線が多く貼られていて、「あれ?」と気になっても、そこから目線をそらせる仕掛けが上手いので、深読みしてしまってもふいを突かれるおもしろさは最後まで維持されます。伏線が多いと聞くと逆にハードルの高さを感じてしまう人もいるかも知れませんが、登場人物が限られている分、ストーリーがシンプルでついていきやすい構成となっています。スリラーなので、ドキッとする怖さはところどころにありますが、残虐で目を覆いたくなるような怖い作品とはタイプが違うので、怖い映画が苦手という人もトライできると思います。
ジョージ・マッケイ、ミア・ゴス、チャーリー・ヒートン、マシュー・スタッグ、アニャ・テイラー=ジョイと、実力派若手俳優が演じるキャラクターもそれぞれに魅力的で、兄弟姉妹愛、ラブストーリーとしても共感できるストーリーになっています。末っ子のサムは本当に可愛いので癒しも得られますよ。クライマックスは大きな謎が解けますが、それが1つだけではないので、最後の最後まで油断は禁物。鑑賞後に誰かと共有したくなる映画なので、ぜひ誰かを誘って観てください。
どことなく薄暗く静かで、その風景は美しく、絵画を観ているような感覚を味わえる本作。その中で始まる恋愛は本作に彩りと、とても温かいムードを与えてくれるので、誰もが共感できると思います。恋愛的に気まずくなるようなシーンはなく、吊り橋効果もあり、鑑賞後に答え合わせをしたくなるストーリーという点で、デート向きだと思います。
キッズ、ティーンが主人公で、ほぼ彼らだけでストーリーが展開します。皆さんの世代からして近い存在に感じると思うので、誰かしら感情移入できるキャラクターが見つかると思います。1度目観てラストであっと驚いたら、もう一度観ていろいろ確かめたくなるはずなので、いろいろな友達を誘って複数回観るのもオススメです。
『マローボーン家の掟』
2019年4月12日より全国公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト
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TEXT by Myson