第一章から語られている概念は共通していながら、視点がガラリと変わって、本作のほうが人間のダークな面にフォーカスした内容になっています。でも、だからこそ人間味が感じられるストーリーになっていて、第一章とは違う方向から心をついてくるはず。第二章でも別の死者による地獄の旅が描かれるのですが、同時に使者達にフォーカスする物語となっていて、第一章でさりげなく張られていた伏線が活かされ、使者達の過去が徐々に明かされていき、「だからそうだったのか!」と、謎がどんどん解けていきます。キャラクター同士の過去が複雑に絡み合い、まさに“因と縁”という副題の通りなのですが、これまたキャラクター設定の上手さに圧倒されます。そして、注意深く観ないとノーマークになりそうなキャラクターにも大きな謎が隠されていて、ラストはすべてが繋がり本当に爽快です。第一章も然り、本作もとても哲学的なストーリーですが、本作では「人生で本当に辛いこととはどういうことか」「本当の罪とは何か」「許されるとはどういう心の状態か」など、深い概念が提起されています。「生まれ変わりたくない」という主張も出てきますが、そういった仏教の輪廻や解脱を彷彿とさせる設定も興味をそそります。地獄が舞台なのに、タイトルが“神と共に”である所以も最後まで観たらわかるはず。エンドロール中にもタネ明かしがあるので、最後の最後まで席を立たずに観てください。本当に見応えのある作品で必見です!
ぜひ第一章も一緒に観た上で、本作も観て欲しいのですが、人の出会い、因縁について考えさせられる内容なので、観終わった後は自分達が出会った縁について考えてみると、運命的な繋がりを感じられるかも知れません。途中は胸が痛くなる部分もありますが、清々しい結末を迎えるので、デートでも安心して観てください。
描き方は極端かも知れませんが、第一章に引き続き、道徳の授業で観ても良さそうなテーマを扱っていると思います。人間関係の複雑さと、人間が体験する経験の中でも本当に辛い部分を描いていますが、程度はいろいろにしても、皆さんの普段の生活の中で似たようなことは誰にでも絶対にあるはずなので、共感できると思います。そういう考え方もあるんだなという内容も多くあるので、人間関係で悩んでいたら、頭と心を少し柔らかくできるでしょう。
『神と共に 第二章:因と縁』
2019年6月28日より全国公開
ツイン
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TEXT by Myson