REVIEW
1980年6月13日にテキサス州ワイリーで起きた実際の事件を基に、デイビッド・E・ケリーが脚本を担当、エリザベス・オルセンを主演に迎えて作られたドラマです。ニコール・キッドマンもエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねています。本作のクレジットを観ると“texas monthly”の記事と、ジム・アトキンソンとジョン・ブルームによる著書“EVIDENCE OF LOVE”をベースにしており、冒頭でも「この物語は実話である」という表示がある点で、知りうる事実にできる限り忠実に描いているのではないかと考えられます。
主人公は、エリート企業に勤める夫と娘、息子の4人で優雅な生活をしている主婦のキャンディ・モンゴメリー(エリザベス・オルセン)。彼女は、同じ教会に通っていたベティ・ゴアを斧で41回殴って殺害しました。同じ実話を基にドラマ化された作品は『キャンディ:隠された狂気』もあります。2作を観比べると、構成も演出も違っていて、事件の解釈も異なっています。本作は、時系列で真相に迫るよう描かれています。
キャンディの不倫相手であるアランのイメージも異なります。本作は、ジェシー・プレモンスが演じており、アランというキャラクターに独特の魅力を与えています。エリザベス・オルセンが演じるキャンディは、脆さを隠すために強くあろうとする様子が印象的で、あまりにクールな表情の奥にいつも何かに怯えているような深層心理が垣間見えます。
1980年の事件ということで、多くの方がこの事件そのものを知らずに観ると思います。私も何も知らずに観て、裁判の行方に衝撃を受けました。結局私達は殺されたベティ・ゴアからの話は聞けず、キャンディの説明でしか、この事件を知るこができません。そういった背景に加えて、宗教観や裁判制度などアメリカ特有の風潮が大きく判決に関わった点も大変興味深いです。同時に、キャサリンの精神状態が犯行時、犯行後、どういう状況にあったのかは、観れば観るほど謎が深まるばかりで、いろいろな面で人間を知ることができるドラマとなっています。
『ラブ&デス』
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TEXT by Myson
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