今回は『五億円のじんせい』主演の望月歩さんに取材をさせて頂きました。若くしてたくさんの作品で名演を見せてきた望月さんに、役作りについてなどお聞きしました。
<PROFILE>
望月歩(もちづき あゆむ):高月望来 役
2000年9月28日生まれ。2015年、宮部みゆき原作の映画『ソロモンの偽証』で、1万人以上が参加したオーディションでキーパーソン柏木卓也役を獲得。同作で映画デビューを飾り、その怪演ぶりで注目を集めた。その後、ドラマ『マザー・ゲーム』『母になる』『アンナチュラル』『モブサイコ100』、映画『真田十勇士』『疾風ロンド』などの話題作に出演し、ドラマ、映画、CMなど多方面で活躍中。2019年は、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です』に出演し、さらに初主演映画『五億円のじんせい』が7月20日より全国順次公開。主演映画『向こうの家』が10月5日より公開。
やりたいことをやっていたら応援してくれる人は絶対にいる!
マイソン:
最初に脚本を読んだ時、1番印象に残ったポイントはどんなところですか?
望月歩さん:
言葉が綺麗なところが1番印象に残りました。ここで映画を観ている人にこういう風に思わせたいから、こういう風に喋るんだろうなとか。
マイソン:
それは素直っていう意味で?
望月歩さん:
それもそうですし、言葉の1つ1つが考えさせられるというか、綺麗な言葉だなって思いました。
マイソン:
タイトルが『五億円のじんせい』で、5億って私達には縁遠い金額なんですが、その辺はどう受け止めて演じられましたか?
望月歩さん:
どうなんでしょう(笑)。お金に関しては、そこまで感じていなかったかも知れないです。お金より、病気のほうが重荷としては大きくて、望来が人の目やプレッシャーを感じるものを、お金より病気のほうで考えていたかも知れないです。
マイソン:
なるほど。今回はすごく人の善意に囲まれた役で、主人公自身も善意に溢れた男の子だったんですが、今までダークな役や、いじめられる役も演じられましたよね。役作りをしている時って日常でもヒントを探したりされますか?
望月歩さん:
そうですね。近いものは自分の中にあったほうが良いと思うから、探すというか、自分の過去を振り返るほうが多いかも知れません。でも周りの人からもこの作品のこの人はこういう気持ちなんだ、ここだけ近いなとかは見たりしますね。
マイソン:
いろいろなキャラクターを演じられていても、やっぱりどこかは通じるところがあるものなのでしょうか?
望月歩さん:
悪い役だったとしても、その人の中では絶対正義で、自分がやりたいからやってるわけだから、演じている時はその役の気持ちがすごくわかるようになっていると思います。
マイソン:
では、先輩の俳優さんとか同い年くらいの共演者の方でも良いのですが、刺激を受けたエピソードがあったら教えてください。
望月歩さん:
舞台は生ものだとかよく聞きますが、“真田十勇士”という舞台に初めて立たせてもらった時に、「今日はこうくるの!?」っていうことがあって、「あ〜さすが先輩だ」って思いました。作品の妨げになるようなことではなくて、より良くしようと「今日はこっちで行く」みたいな感じだったから、楽しかったですね。それがすごく刺激になりました。
マイソン:
ドラマや映画だと何テイクも撮り直すとか、それはそれで集中力を維持するのが難しかったりするのかなと思うのですが、工夫されていることはありますか?
望月歩さん:
工夫というか、今のでダメだったから次こうしたほうが良いんだなとか、演技の相手に合わせて、こうしてやったらやりやすくなるのかなとかはありますね。だから気を付けようということは特になくて、僕は何回もやるのは楽しいなって思います。
マイソン:
演技を楽しまれてるんですね。では、望月さんが今まで生きてきて、この人の言葉は自分の糧になっているというメッセージは、何かありますか?
望月歩さん:
お芝居の先生に「正解より全力でやれ」って言われたのがすごく印象に残っています。あと自分自身の体験じゃなく、役として受けた言葉ですけど、ドラマ『アンナチュラル』の石原さとみさんのセリフで「あなたの人生は、あなたのものだよ」っていう言葉は、すごく心に残っています。
マイソン:
どちらも素敵な言葉ですね!ちょっと話題が変わりますが、来年20歳ということで、10代のうちにやっておきたいことってありますか?
望月歩さん:
これは10代だからってことではないんですけど、嵐さんに会いたいです!
マイソン:
前からファンだったんですか?
望月歩さん:
元々役者をやり始めたのは、ジャッキー・チェンさんとか、昔からカッコ良いなって思っていたのもあるんですけど、嵐さんに憧れてダンスを始めたのがきっかけなんです。
マイソン:
そうなんですね!バラエティで上手に番組を回している感じとかもすべて。
望月歩さん:
すごく良いですね!
マイソン:
ジャッキー・チェンに興味を持ったのは、何がきっかけだったんですか?
望月歩さん:
家族が観ていたからです。それでカッコ良いなって。
マイソン:
特に好きな映画はありますか?
望月歩さん:
『ポリス・ストーリー/香港国際警察』が好きです。小さい頃は犯人達が被っていたピエロのお面が怖かったんですが、改めて去年くらいに観た時におもしろいなって。だから1番好きですね。
マイソン:
ジャッキー・チェンってめちゃめちゃアクションがすごいですけど、今後は望月さんもアクションをやりたいという気持ちはありますか?
望月歩さん:
もちろんやりたいです!めちゃくちゃ自信があるわけではないんですけど(苦笑)。
マイソン:
でもダンス経験あり、ジャッキー・チェンも好きというこの流れだと、アリですよね!
望月歩さん:
楽しみですけどね!運動神経は意外と良いほうって言われます。
マイソン:
じゃあバリバリのアクションとか、どうですか?
望月歩さん:
そこまでは無理かも知れません(笑)。
マイソン:
ハハハハハ!でもやって欲しいです!
望月歩さん:
やってみたいですね!『るろうに剣心』もすごく好きなんですよ。やってみたかったなと思いました。全然先の話ですけど、ああいうカッコ良い作品に、いつか携わってみたいなって思います。
マイソン:
ぜひ!楽しみにしています。それでは最後の質問で、この映画のキャラクターになぞらえて、主人公と同じくらいの若者と、世の中のお母さんに一言ずつメッセージを頂ければと思います。
望月歩さん:
男の子に対しては、頑張れっていうか、何でも良いからやってみてって言いたいですね。僕も結構前から芝居をしていますけど、やりたいことをやっていたら応援してくれる人は絶対にいます。挑戦するというか、ゲーマーでもユーチューバーでも、どんな仕事でも良いから、やりたいものはやってみたらという思いは強いですね。あと世のお母さんに対しては、主人公みたいな感じで“冒険”したくならないようにしてあげてくださいって思います。
マイソン:
なるほど、あんな風に無茶にならないように。
望月歩さん:
でも仕方ないんですよね。
マイソン:
健全な冒険は良いってことですよね?
望月歩さん:
ほどほどにという感じで、1週間の家出とかなら良いかも知れないですけど、それくらいにしてあげたほうが良いんじゃない?って(笑)。
マイソン:
じゃあ無理な冒険はさせないっていうことで(笑)。本日はありがとうございました!
2019年6月6日取材 PHOTO & TEXT by Myson
『五億円のじんせい』
2019年7月20日より全国公開
監督:文晟豪
出演:望月歩/山田杏奈/森岡龍/松尾諭/芦那すみれ/吉岡睦雄/兵頭功海/小林ひかり/水澤紳吾/諏訪太朗/江本純子/坂口涼太郎/平田満/西田尚美
配給:NEW CINEMA PROJECT
善意の募金5億円により心臓手術に成功し命を救われた高月望来は17歳になった。未だに周囲から気にかけてもらい、期待に沿わなければと思う反面、自分が五億円にふさわしいかどうか悩んでいた望来は、とある出来事をきっかけに自殺を決意。SNSで自殺を宣言するが、見知らぬアカウントから「死ぬなら五億円返してから死ね」というメッセージが届き…。
©2019 『五億円のじんせい』NEW CINEMA PROJECT