第76回ヴェネチア国際映画祭が、8月28日より9月7日まで開催中!コンペティション部門へ正式出品された『ジョーカー』、さらに日本からは、日本映画特集上映&交流イベント“ジャパン・フォーカス”に『楽園』『人間失格 太宰治と3人の女たち』などが選出され、豪華キャスト&スタッフが登場しました。
8分間スタンディングオベーション&見事金獅子賞を受賞!『ジョーカー』
レッドカーペットセレモニーには、主演のホアキン・フェニックス、ザジー・ビーツ、監督・脚本を務めたトッド・フィリップスが登場!会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、ホアキン・フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえりました。その後、座席数1032席を誇るSala Grandeでは、世界初お披露目となる上映が行われ、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映1番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションが8分間も鳴りやみませんでした。
本作の監督と脚本を務めたトッド・フィリップスは「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ。だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどり着くまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」と振り返りました。そして、ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたことを明かしました。
なお、本作は現地時間9月7日(日本時間8日)に行われたコンペティション部門の授賞式で最高賞となる金獅子賞を受賞しました!世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは、初の快挙となり、映画史を大きく塗り替える受賞となりました。賞も受賞し、ますます期待が高まりますね!本作は、日米同日10月4日(金)に公開となります。
『ジョーカー』
2019年10月4日より全国公開
公式サイト
ワーナー・ブラザース映画
© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
蜷川実花監督が『人間失格 太宰治と3人の女たち』主演の小栗旬&本作の見どころを語る!
現地9月2日には、公式イベント“ジャパン・フォーカス”にて、『人間失格 太宰治と3人の女たち』の記者会見が開催され、蜷川実花監督と池田史嗣プロデューサーがイベントに登壇しました。本作の見どころについて蜷川監督は「クリエーターとして、“人であることをやめて創作する”ということに対して、どのように向き合って、どう気持ちの整理をしていくのかということに自分自身興味がありました。そういう太宰像をしっかり描けたと思います」と語り、さらに「女達が、ダメだけど魅力的な男に振り回されて、それでも自分で強く生きていくという視点も、もう 1つの テーマ。3人の女性の生き様にもフォーカスしているのでそこも楽しんで観て欲しいです」とコメント。
また、池田プロデューサーは、「蜷川監督がこの作品の監督をしてくれたことは非常に大きい」と話し、「蜷川監督は世界的な演出家であった蜷川幸雄さんの娘さんで、ご自身は写真家であり世界のトップクリエイターとして活躍され、日本の映画界に進出されています。日本では女性監督は少なく、蜷川さんはこの時代の女性監督のトップランナーとして日本映画界を切り拓いている人だと思っています」と賛辞の言葉を述べました。そして、妻子がいながらも恋の噂が絶えない、究極のダメ男だがどうしようもない魅力のある太宰治を演じた小栗旬について蜷川監督は、「ハリウッドにも進出して次々と活躍しているが、今まで見たことのないような 演技をしてくれています。色っぽいシーンもたくさんあるけど、私自身も見たことがない彼が出てきたと思っているので、ぜひ注目して欲しいです」と述べました。蜷川実花ワールドの中でどんな太宰治が観られるのか楽しみですね。本作は、9月13日より全国公開!
『人間失格 太宰治と3人の女たち』
2019年9月13日より全国公開
R-15+
松竹、アスミック・エース
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定
© 2019『人間失格』製作委員会
『楽園』を代表して参加した村上虹郎が「日本映画の良さをもっと伝えていきたい」とコメント!
同じく“ジャパン・フォーカス”に選出された『楽園』からは、俳優の村上虹郎&二宮直彦プロデューサーの両名が記者会見に出席。村上虹郎は、本映画祭への参加について、「映画祭はいろいろな人と出会える、ご縁のある場所だと思っていて、僕もデビュー作で海外の映画祭に行かせて頂き、さまざまな映画監督や俳優さんと出会えて、今もそのご縁が続いているのがありがたいです」と話し、「こういった海外の映画祭で日本という国、そして日本映画の良さをもっともっと伝えて行きたいと思います」とコメント。二宮プロデューサーは「全世界共通だと思いますが、映画が完成するのは小さな奇跡の連続だと思っています。『楽園』が完成したのは 2 つの奇跡がありました。1つは瀬々敬久監督の脚本。この脚本なくしてはこの企画は成立しませんでした。そしてもう1つは、主演の綾野剛さんやここにいる村上虹郎さんを始めとした、日本を代表するキャスト陣が魂と心を削りながら演じてくれたことです」と作品をアピールしました。
レッドカーペットを歩いた村上虹郎は各国のメディアからのリクエストに丁寧に応え、時には蜷川監督と2ショットでの取材に応じるなど楽しんだそうです。村上虹郎は「今回は是枝裕和監督、塚本晋也監督、オダギリジョーさんなど日本映画界の先輩方が数多く来ており、改めて日本と密接にある映画祭だと感じました」と映画人としてヴェネチアの地に降り立った喜びを語りました。本作には今回映画祭に参加した村上虹郎はもちろん、主演の綾野剛、杉咲花、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明、佐藤浩市ら豪華キャストが出演!10月18日より全国公開となります。世界からも注目を集めた本作をぜひ劇場でご覧ください!
『楽園』
2019年10月18日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト
© 2019「楽園」製作委員会