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悪なき殺人【レビュー】

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映画『悪なき殺人』ダミアン・ボナール

フランスの人里離れた山中で起こった、ある女性の失踪事件をきっかけに、事件の真相とそれにまつわる人間関係が描かれている本作。『ハリー、⾒知らぬ友⼈』『レミング』で知られるドミニク・モルが監督を務め、コラン・ニエルによる原作“Seules les Bêtes(原題)”に惹かれて本作を映画化したそうです。サスペンスとして楽しめることはもちろん、物語が進むにつれて各キャラクターの心の飢えや寂しさといった部分も見えてくるので、人間ドラマとしても見応えがあります。
また、5人のキャラクターの視点に合わせてチャプターが分かれていて、失踪事件を軸に少しずつ点と点が線になっていく展開がとても秀逸です。ネタバレになってしまうので詳細は明かせませんが、愛、お金、SNSといった身近なものがキーワードとなっているので、それぞれどう絡んでいくのかにも注目です。
キャストは、ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ダミアン・ボナールらが出演しており、それぞれ悩める人物達を見事に演じています。サスペンス作品として自分なりに推理しながら楽しむこともできますし、登場人物達のドロドロとした関係性を観ることで自分自身を振り返るきっかけにもなりそうです。序盤から気になる点が多く出てくるので、伏線に注意しつつ事件の真相を観届けてください。

デート向き映画判定
映画『悪なき殺人』ロール・カラミー/ダミアン・ボナール

デートでも観られると思いますが、恋愛関係のいざこざなどが描かれている部分もあるので、その点についてはあまり感情移入し過ぎないように注意してください。むしろ本作の登場人物達のやり取りを反面教師として観ると、ご自身の恋愛の参考になる点も見つかりそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『悪なき殺人』

R-15+なので、キッズは15歳以上になってから観てください。15歳以上のティーンが観る場合も大人達のドロドロとした関係性に驚く部分がありそうですが、本作のような事件に巻き込まれないためにも、決して彼らのようにならないよう気を付けてくださいね。

映画『悪なき殺人』ドゥニ・メノーシェ/ロール・カラミー/ダミアン・ボナール

『悪なき殺人』
2021年12月3日より全国順次公開、12月4日デジタル公開
R-15+
STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト

© 2019 Haut et Court ‒ Razor Films Produktion ‒ France 3 Cinema visa n150 076

TEXT by Myson

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