美しい映像に魅了されるのはもちろん、物語としても、信じ抜くことの素晴らしさを感じ、背中を押してもらえるので、老若男女問わず観て欲しい作品です。原作は、お笑い芸人という枠を超え、新しいフィールドでさまざまな挑戦を続けているキングコングの西野亮廣が、2016年に発表した絵本「えんとつ町のプペル」。空を煙に覆われたえんとつ町を舞台に、“星”の存在を信じる少年ルビッチとゴミ人間プペルの冒険物語が描かれています。冒頭からえんとつ町の細やかな描写に驚かされますが、さらに愛くるしいキャラクター達が次々と登場し、どんどん本作の世界観に引き込まれていきます。夢見るゴミ人間と少年の友情&成長物語がベースにありつつ、大人目線だとえんとつ町の背景に、現代社会にも通ずる闇も感じ取れます。そして、本作の豪華な声優陣の活躍ぶりも注目ポイント!配役がそれぞれマッチしていて、特にゴミ人間プペル役の窪田正孝、少年ルビッチ役の芦田愛菜の声は、そのキャラクターにハマり過ぎて本人のことを忘れてしまうほどお見事です。他にも、立川志の輔、小池栄子、國村隼、藤森慎吾、野間口徹、伊藤沙莉、宮根誠司、太平祥生(JO1)、飯尾和樹(ずん)、山内圭哉なども声優として参加しています。1人で観ても楽しめますが、観賞後に語り合いたくなる点が多いので、ぜひ家族や友達を誘って観ることをオススメします!
恋愛要素はありませんが、プペルとルビッチの冒険を一緒に疑似体験することで、一体感が生まれ、2人の距離感がいつもより近づく効果は期待できます。また、ルビッチの親子関係やルビッチの両親の夫婦関係が描かれているので、夫婦や結婚を考えているカップルなら、これを機に相手と共に理想の家族像や親子像について一緒に考えてみるのも良いと思います。
皆さんの場合は、年齢の近いルビッチと同じ視点で楽しめると思いますが、高い所が苦手なのに煙突掃除をするルビッチの背景や、交友関係についても考えながら観てみてください。ルビッチとプペルとの友情関係は、周囲の人達から非難されたり、お互いの気持ちのすれ違いなどもあり、なかなか上手くいきません。そんな2人がどう気持ちを通わせていくのか、誰も信じてくれない星の存在をどう信じ抜き、行動していくのかにも要注目です!
『映画 えんとつ町のプペル』
2020年12月25日より全国公開
東宝=吉本興業
公式サイト
©西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
TEXT by Shamy