あるカップルの結婚式の準備から本番までのドタバタを描いた本作は、お笑い芸人のバカリズムが脚本を担当しています。バカリズムといえば、『架空OL日記』や『地獄の花園』など女子の世界を描いた作品を複数手掛けていて、本作も含めすごくよく女子を観察しているなというのがストーリーから伝わってきます。なぜそんなにリアルに表現できるんだろうというほど細かいやり取りが描かれていて、何でもないシーンでもクスッと笑えます。
また、結婚式の準備で揉めたという話は私も複数の友人から聞いていますが、本作でもカップルのそんな様子が生々しく描かれています。ある意味ステレオタイプとも言えるのかもしれませんが、女子の思考、男子の思考の傾向をよく掴んで表現していて、「ありそう、ありそう」と思いながら楽しんで観られます。さらに一癖も二癖もある結婚式のゲスト達は映画だからこそ“夢の競演”を果たしていて、意外なところでドラマチックな展開を迎えます。ネタバレするので詳しくは書けませんが、とある余興が素晴らしいのでぜひ楽しみにしてください。
そして、結婚式の裏でうごめいているストーリーも最後に一気に伏線が回収されるおもしろさがあります。最後の最後までクスッと笑える展開が続くので気楽に観られて、気分転換にもオススメの作品です。
最近は結婚式のスタイルも多様化しているようなので、披露宴までするカップルがどれくらいいるのかわかりませんが、本作を観るとやっぱりこういう結婚式も良いなと思えます。これから結婚式の準備を始めるカップルは、いろいろと参考になる部分もあると思うのでデートで観るのも良いでしょう。クセの強いキャラがたくさん出てくるコメディでシンプルに娯楽としても楽しめるので、デートにも誘いやすいはずです。そういう利点を活かして、そろそろ結婚について話し合いたいカップルは、本作の鑑賞を機に話題を切り出してみてはどうでしょうか?
年齢を問わずわかりやすい笑いがふんだんにあり、キッズやティーンの皆さんのツボにもハマると思います。結婚式に参加している気分でいろいろな余興も楽しめます。皆さんのご両親の世代にはこういう結婚式をしていた方も多いと思うので、一緒に映画を観た後はアルバムなどで結婚式の写真を家族で振り返るのも良いですね。
『ウェディング・ハイ』
2022年3月12日より全国公開
松竹
公式サイト
© 2022「ウェディング・ハイ」製作委員会
TEXT by Myson