OL版“クローズ”といった設定で、現実ではあり得ない世界観でありつつ、OL同士のやり取りは妙にリアルな部分もあって、すごく楽しい作品です。脚本担当のバカリズムは、『架空OL日記』も書いてますが、彼の妄想力のスゴさを実感します(笑)。そして、なぜ彼はOLにそれほど魅了されているのかも気になりますが、『架空OL日記』や本作を観ると、OLって尊いというか、可愛い存在だなというのが伝わってきて、彼がOLに興味を示す気持ちもわかるような気がします。
本作では、ヤンキーOLの頂点争いが描かれていて、制服や髪型、メイクにも個性が出ているし、喧嘩はガチなので、その「いや、ない、ない、ない」っていうところがまさに魅力で笑えます。そして、キャスティングが絶妙で、永野芽郁、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈、大島美幸、小池栄子がそれぞれにすごく良い味を出しています。最初はオラオラなノリだったのが、途中から良い感じの友情物語になったりという展開にも何だかほっこりさせられて、かと思えば、アクションも予想以上に迫力があって、見どころが詰まった作品となっています。本当に気楽に観て笑えるので、良い気分転換になりますよ。続編をぜひ作って欲しいです!
老若男女楽しめる作品で、カップルで観て気まずいことは全くないので、初デートでも安心して観てください。ヤンキー映画といえば、男性キャラクターが中心のものはたくさんありますが、女性キャラクターでしかも皆OLというのが斬新で、職場の一コマひとコマのメリハリが利いているので、ビジネスウーマン、ビジネスマンにも親近感を持って楽しんでもらえると思います。
OL達の物語ではありますが、キッズやティーンが観ても充分楽しめる、わかりやすい内容です。すごくカッコ良いキャラクターも出てくるので、憧れの眼差しを向けながら観る人もいるかもしれません。笑えるシーンがたくさんあるので、ぜひ誰かを誘って観てください。
『地獄の花園』
2021年5月21日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©2021『地獄の花園』製作委員会
TEXT by Myson