ファイナル・シーズン
前シーズンでストーリーの舞台の次元が大きく変わり、今シーズンではオリバーの役割もさらに大きく変化します。オールラストまで観て、「あれ?あの伏線の回収はどうしたのかな?」と思える部分もいくつかありますが、本ドラマとしてはオリバーの物語が軸となっているのでここまでに留めたと解釈することにしましょう(笑)。スピンオフして繋がりそうな要素もあったので、原作ではどうなっているのか気になるところでもあります。
前シーズンから時空を超えて次世代キャラクターの活躍も描かれていて、このファイナル・シーズンでは改めてヒーローたる者の心得を説き、それを次の世代に引き継いでいくような内容になっています。回想シーンも織り交ぜられながら物語が展開していき、オリバーがどれだけ人としてヒーローとして成長したかが描かれていて、オリバーが多くの過ちをおかしてきた人間だからこそ、観る者に親近感を湧かせ、希望をもたらすストーリーとなっています。改めて本作の魅力を振り返ると、オリバー以外のキャラクターもいろいろな試練を乗り越え、時にはオリバーとも衝突してきましたが、そういった人間関係が現実的で生々しく描かれてきたからこそ、このドラマは感情移入しやすかったのだなと感じます。そして、やっぱりアクションが豪快で痛快であるだけでなく、ずば抜けた才能を持つ頭脳派の活躍も爽快でした。DCコミックスでは他にも魅力的なキャラクターがたくさんいますが、超人ではなく生身の人間として戦うキャラクターの1人として、オリバーはとてもユニークなキャラクター設定となっています。いろいろなヒーローが観たいという方にぜひ観て欲しいドラマです。
『ARROW/アロー <ファイナル・シーズン>』
2020月9月2日よりブルーレイ&DVDレンタル、発売中/デジタル配信中
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
公式サイト
©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.
TEXT by Myson
セブンス・シーズン
前シーズンではオリバー自身だけでなく、チーム全体が大きな変化を遂げましたが、今シーズンはなんと刑務所が舞台となるエピソードから始まります。ずっと刑務所にいるわけはないだろうと予想はしつつ、じゃあどうやって刑務所から出ることになるのかは予測がつかず、そこがまず物語としておもしろいです。そして、オリバーを心配しながら、引き続き敵と戦い続ける他のメンバーのドラマも大いに盛り上がります。特にローレルが善と悪どっちに転ぶのかが見どころで、女性キャラクターが大活躍のエピソードもあり観ていて爽快です。さらに驚きの新キャラクターも登場し、あらゆるキャラクターが持つ両面が映し出され、善か悪かという概念では片付けられない問題が続々あがってきます。そういった点でも人間ドラマとして見応えが増していますが、今シーズンでは特にヒーローとは何ぞやというところが強く押し出されています。
また、別の時間軸の物語が同時進行するのも特徴的で、ファイナル・シーズンへの期待を高める内容になっています。『THE FLASH/フラッシュ』や『SUPERGIRL/スーパーガール』とのクロスオーバー・エピソードも、ファイナル・シーズンに繋がる重要な内容となっているので、関連エピソードだけでも観ておくことをオススメします。もう今シーズンの最後は、オリバーが涙涙でめちゃめちゃ感傷的なストーリーとなっていて、観ている側も泣けてきちゃいますが、オリバーの飛躍的な成長を観られるので、お見逃しなく。
『ARROW/アロー <セブンス・シーズン>』
2019月11月6日よりブルーレイ&DVDレンタル、発売中/デジタル配信中
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
公式サイト
©2019 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.
TEXT by Myson
シックス・シーズン
リアン・ユーでチェイスを倒したオリバーは、息子のウィリアムを引き取り一緒に生活を始めますが、リアン・ユーで母を亡くしたウィリアムがなかなか心を開かない上に、新たな敵も登場。父としての立場を優先しヒーローの役目を終えるか、グリーンアローとして戦い続けるかの究極の選択を迫られます。さらにオリバーの選択が巡り巡ってチーム・アローの面々を危機にさらすことになり、今シーズンはチーム・アローの人間関係が大混乱。オリバーの不器用な性格もあだとなってチームワークがだんだん崩れていきます。また、グリーンアローの正体が再び暴かれようとされ、チーム・アローはがんじがらめになっていきます。今シーズンを振り返ってみるとこれまでで一番問題を多く同時に抱えていて、これがまさかまさかの展開を引き起こし、最初から最後まで目が離せません。
そして、今シーズンはオリバーだけでなく親子のストーリーが1つのテーマとなっている点も特筆すべきところ。オリバー親子はもちろん、あの悪役の親子にまつわるストーリーも出てきたり、意外な人物が悪に転ぶか善に転ぶかで揺れ動く展開も見どころです。さらに今回はサイバー犯罪に長けた人物が敵となり、フェリシティとの対決ともいえる展開が盛り上がります。今シーズンのラストは衝撃的で、どうやって続いていくのか読めない状況で終わります。このレビューを書いている時点で既に次シーズンを観始めていますが、今シーズンではこの後の大きな展開への伏線が多く敷かれている印象で、シリーズ全体の流れを大きく変えるシーズンとして、とても濃い内容になっていると言えます。シーズン8で終了となる本シリーズ、最後まで見逃せません。
『ARROW/アロー <シックス・シーズン>』
2018月11月14日よりブルーレイ&DVDレンタル、発売中/デジタル配信中
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
公式サイト
©2018 Warner Bros. Entertainment Inc. ARROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.
TEXT by Myson
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