シーズン2

今シーズンでは、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』というタイトルにふさわしく、ドラゴンが要となるストーリーが大きく展開します。シーズン1のラストで起きた悲劇によって、レイニラが率いる《黒装派》と、アリセントの息子エイゴン2世を王に据えた《翠装派》は、一触即発の事態に陥りました。お互いが戦力を拡大しようとする上でドラゴンの存在は大きいものの、騎竜者不足のなか、とある人物が秘策を思い付きます。

ドラゴンに乗ることができる騎竜者にまつわるくだりを観ていると、『ゲーム・オブ・スローンズ』のある展開を思い出します。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』も『ゲーム・オブ・スローンズ』も血筋が重視されると同時に、血筋だけではなく、どこでどう育ったか、育てられたかが重視される点も大変興味深いです。

血筋は文字どおり、高貴な家柄の血統という意味もありつつ、騎竜者になるにはドラゴンから認められなければいけない点では、才能や可能性の比喩のようにも受け取れます。そう考えると、誰にも平等に機会が訪れるという意味で、私達の現実世界にも置きかえて観られる分、余計に本シリーズのおもしろみを感じます。

そして、今シーズンでは、王座への野望を抱く新たな人物が暗躍します。家族内でも気を許せない緊張感のあるストーリーから、まだまだ目が離せません。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン2』
2024年6月17日よりU-NEXTにて配信中
R15+
公式サイト U-NEXTで観る


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TEXT by Myson
シーズン1

第1話から引き込まれ、一気に観てしまう内容です。本作は大人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』から200年前の世界を描いていて、ドラゴンを従えるターガリエン家を軸とした物語となっています。ジョージ・R・R・マーティン著「炎と血」を原作としており、この小説は『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリス(エミリア・クラーク)の3代前の当主による征服から150年間を描いているとされています。
『ゲーム・オブ・スローンズ』を観ている方にとっては、世界観が掴めた状態で観るのですんなり入り易いのはもちろんのこと、逆に『ゲーム・オブ・スローンズ』を全く観ていない方は時間軸通りに観られるのでわかりやすいと思います。また、『ゲーム・オブ・スローンズ』は登場人物が大変多く難解なイメージを持たれている可能性もありますが、本作はターガリエン家を中心に描かれていて、まだ登場人物が絞られている分、観易さもあります。

そして女性キャラクターが中心に描かれている点でも『ゲーム・オブ・スローンズ』と少し印象が異なります。もちろん『ゲーム・オブ・スローンズ』も数々の女性キャラクターが活躍していましたが、本作では登場人物がまだ限定されている分、一層女性の生き方にフォーカスされているように感じます。世継ぎ=後の女王となる立場、母の立場、妻の立場、そして、男性に支配されずに生きる術を身につけた者など、さまざまな角度から女性の生き方を考えさせられます。また、キャストも豪華でパディ・コンシダイン、マット・スミス、リス・エヴァンス、オリヴィア・クックなど実力派が名を連ねているほか、レイニラの少女時代を演じるミリー・オールコックなど若手俳優も演技力を発揮しています。『ゲーム・オブ・スローンズ』がそうであったように、本作からもスターが多数生まれそうですね。

ストーリーも期待通りのドロドロで、第1話からハラハラドキドキが止まりません。どのキャラクターも魅力的ですが、個人的に印象に残ったのは、まずマット・スミス演じるデイモン。初っぱなから危うい空気をバンバン放ちながらもどこかセクシーで、周囲の人間を翻弄させていきます。アリセント・ハイタワーの父オットー・ハイタワーを演じるリス・エヴァンスも人相から変わってみえるくらいなりきっていて圧倒されます。ヴィセーリス・ターガリエン1世を演じるパディ・コンシダインも途中どうやって撮ったんだろうというくらいやせ細るシーンがあり、半端ない役作りへの気合いを感じます。とにかく見どころが満載で、あっという間に観終わるおもしろさです。ぜひご覧ください。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン1』
2022年8月22日よりU-NEXTにて配信中
R15+
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TEXT by Myson

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