「夢をかなえるゾウ」の水野敬也による著書「運命の恋をかなえるスタンダール」を原作として全10話で描かれる本作の主人公は、30歳で恋愛経験ゼロの聡子(波瑠)。彼女は訳あって苗字を変え、暗い過去を封印し、図書館員として働いています。そんな彼女はある日、図書館で出会った男性、鈴木涼介(瀬戸康史)に一目惚れしてしまいます。でもどうやって彼に接近すれば良いかわからない聡子は、スタンダールの「恋愛論」を開いてみます。すると、聡子にしか見えないスタンダールと名乗る男(小日向文世)が出現し、彼女に恋愛指南を始めます。
物語の軸は聡子の恋愛がどうなるのかというところにありますが、聡子が隠している過去が物語をドラマチックにしています。その謎が後々恋愛に響いていき、乗り越えるべき恋愛の試練となっていて、本当の恋愛がしたいなら大切にすべきことがメッセージとして込められています。さらに職場での人間関係のごちゃごちゃも出てきたり、聡子が恋愛のためにだけでなく、人間としてどう変わっていきたいかを一つずつ考え変化していく様子に共感を覚えます。
他にも一部いつも気になる映し方をしているシーンがあり、何だろうと思っていたら最後にアッと驚く繋がりが明かされたり、いろいろな見どころがあります。全10話で1話ずつが30分弱なのでサクサク観られるのも魅力。スタンダールの「恋愛論」そのものにも興味が湧くので、これを機に本を読んでみるのも良さそうです。
『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』
2022年3月18日よりAmazon Prime Videoにて配信中
視聴ページ
©東映
TEXT by Myson