“攻殻機動隊”シリーズはたくさんありますが、私は押井守監督のアニメーション映画『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』と『イノセンス』、ハリウッド版実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』とあと数本くらいしか観たことがなく、詳しいとは言えないので、本シリーズを観てついていけるのか最初は心配でしたが、観ていると基本的な設定などはだんだん記憶が蘇り、結果的にはついていけました(苦笑)。個人的には、3話くらいからグンとおもしろくなってきたと感じましたが、1本は24分で、オープニングとエンディングを除くと20分くらいしかないので、隙間時間に観やすいと同時に、一気観もしやすいと思います。
全世界同時デフレ、感染、ネット社会、技術の革新による弊害など、実際に今の私達の生活の中で問題視されていることがテーマとして描かれているので、近未来の話と言えどもとても身近に感じます。“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる得体の知れない存在も出てきて、その不気味さにも引き込まれつつ、クライマックスに近づくにつれ、テンションの違う方向に物語が向かっていき、最終話がとても気になるところで終わったので、早く続きが観たいです。そして、劇中でジョージ・オーウェルの小説「1984」が登場しますが、未読なのでさっそく読みたいと思いました。観れば観るほど話が深くなっていきますが、こういうところが“攻殻機動隊”シリーズとして長らく人を惹きつける所以なんだなと改めて思いました。VRのような映像も印象的で、アニメーションとしてもいろいろな進化を遂げていると実感します。本作からいきなり観るのはハードルが高いという人は、前述の『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』か、ハリウッド版実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のいずれか1本だけでも先に観るとちょっと理解度が増すと思います。
『攻殻機動隊 SAC_2045』
2020年4月23日よりNetflixにて配信開始
作品公式サイト
Netflix公式サイト
© 士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
TEXT by Myson