シーズン1
ジャック・ニコルソン主演の名作『カッコーの巣の上で』に登場する看護師ラチェッドを基に描いたドラマということで、それだけでまず期待を煽られるのですが、名プロデューサー、ライアン・マーフィが手掛けているということで海外ドラマファンとしては一層そそられます。さらに製作陣には、ラチェッドを演じる個性派俳優サラ・ポールソンや、マイケル・ダグラスも名を連ねていて、キャストにはシャロン・ストーンもいるんです。ここでマイケル・ダグラスとシャロン・ストーンと2人揃って名前が出てきて「『氷の微笑』コンビ!」とテンションが上がってしまうのは私だけではないはず(笑)。しかもアイスピックまで出てくるので、ニヤニヤしてしまいました。他にもキャストが魅力的で、“セックス・アンド・ザ・シティ”シリーズのミランダでお馴染みシンシア・ニクソンをはじめ、コリー・ストール、ヴィンセント・ドノフリオなど個性派俳優が揃っているのも魅力です。また、物語の軸となるエドモンドを演じたフィン・ウィットロックも良い味を出していて、イケメンとヤバイ人の絶妙なバランスを好演しています。
シーズン1は8話しかないのですが、ラチェッドの背景が一通りわかる内容になっています。また、かなり刺激的なシーンが多く、Netflixがホラーにジャンル化しているのも納得です。そして、異常な性癖が描かれるシーンもあって、なかなかの灰汁の強さです。でも、その背景にはラチェッドの恵まれない運命も描かれていて、単純に悪役で終わっていないところが、このキャラクターに深みを与えています。重要だと思われるキャラクターも早々にいなくなったり、展開も早いので8話はあっという間に観られます。あと特筆すべきはオシャレな衣装や建物、美しい風景です。物語の始めにはラチェッドがハリウッド女優達のファッションを意識している節も見えるのですが、クラシックな衣装がとても素敵で、車なども可愛いです。そういったところは女子に気に入ってもらえると思います。
シーズン1も結構濃厚でしたが、最終話を観ると、やっとこれからが本番といった感じなので、続きも早く観たくなると思います。
『ラチェッド』
2020年9月18日よりNetflixにて配信開始
公式サイト
TEXT by Myson