REVIEW

ウィロー【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『ウィロー』ワーウィック・デイヴィス/ジョアンヌ・ウォーリー/ルビー・クルス/エリン・ケリーマン/エリー・バンバー/アマール・チャーダ・パテル/トニー・レヴォロリ

本作は、ジョージ・ルーカスが原案、製作総指揮の映画『ウィロー』(1988)年の続編としてルーカスフィルムによって作られました。映画『ウィロー』で監督を務めたロン・ハワードが製作に名を連ねる他、ルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディや『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の脚本を手掛けたジョナサン・カスダンなども製作に名を連ねています。また、映画と同じく、ウィロー役をワーウィック・デイヴィス、ソーシャ役をジョアンヌ・ウォーリーが務めています。物語の舞台は映画『ウィロー』でウィローやマッドマーティガン(映画ではヴァル・キルマーが演じる)が命懸けで守ったエローラが大人になった20年後の世界。エローラは再び命を狙われることがないよう、自分自身でさえエローラであることを知らずに生きていて、ソーシャとウィローだけが誰がエローラであるかを知っている状況です。ソーシャにはマッドマーティガンとの間に男女の双子がいて、2人も大きくなっています。ただ、マッドマーティガンの姿はありません。

海外ドラマ『ウィロー』ワーウィック・デイヴィス

続編ということで当然ながら映画からの流れが多く含まれるため、映画を観てからこのドラマを観るほうが断然楽しめます。また、魔法使いのお話でありながら、魔法は簡単には使えないという設定で精神論的なメッセージが多いのも印象的です。男女の双子、キャラクター達が善悪で揺れる展開は、スター・ウォーズ的で、ルーカスフィルムらしいなと感じます。一方で、エローラが純真無垢なお姫様的なヒロインというよりも、強気なじゃじゃ馬娘でサバサバしているのが新鮮。ティル・アスリーンのプリンセスであるキットも姫というよりは戦士で、ステレオタイプのファンタジーが持つ世界観から脱却を試みているのが伝わってきます。そして、一見ファミリー向けの作品かと思いきや視聴推奨年齢は「12+=12歳以上」となっていて、アクションシーンがふんだんに出てきます。
物語の展開はややゆっくり感じるところがあります。これは、時間の経過が具体的に描かれていないからかもしれません。また、思ったほど人間関係のハラハラドキドキがないのでドロドロな展開が好きな方はやや物足りないと思う可能性がある一方、心穏やかに安心して観られるともいえます。

海外ドラマ『ウィロー』ワーウィック・デイヴィス/ジョアンヌ・ウォーリー/ルビー・クルス/エリン・ケリーマン/エリー・バンバー/アマール・チャーダ・パテル/トニー・レヴォロリ

本章は各キャラクターの本質が目覚める過程を主に描いている段階といえて、物語としてはまだ若干地味ではありつつ、序章であると考えると第2章に期待が膨らみます。マッドマーティガンも多くの謎を秘めたまま話題にはあがってくるので、今後の展開に大きな影響をもっていそうです。このドラマが何章で描かれる予定であるかは、最終話のエンドロールにヒントがあるのでお見逃しなく。

海外ドラマ『ウィロー』ワーウィック・デイヴィス/ジョアンヌ・ウォーリー/ルビー・クルス/エリン・ケリーマン/エリー・バンバー/アマール・チャーダ・パテル/トニー・レヴォロリ

『ウィロー』
2022年11月30日よりディズニープラス「スター」にて配信中
公式サイト

© 2022 Lucasfilm Ltd.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト HERE 時を越えて【レビュー】

映像作家としてあらゆる挑戦を行ってきたロバート・ゼメキス監督は、本作でも新たな挑戦の成果を見せてくれています…

映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング アンジェントルメン【レビュー】

本作は「近年機密解除された戦時中の極秘ファイルを後ろ盾にしたダミアン・ルイス著 『Churchill’s Secret Warriors: The Explosive True Story of the Special Forces Desperadoes of WWII』」を原作としており…

映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年3月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年3月】のアクセスランキングを発表!

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト
  2. 映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング
  3. 映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬
  4. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  5. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP