どんなあらすじかなど、何も情報を入れずに観るほうがたくさん驚きがあって楽しめるはず。なのでここでは設定すら言わないでおきますね。でもとにかく強烈な映画だということはお伝えしておきたい!まず主人公を演じるエヴァ・メランデルと、謎の男性を演じるエーロ・ミロノフの演技に圧倒されます。野性味溢れる独特な演技が必要とされるのですが、それがものすごくリアルで、彼らの高い演技力によって”この世界観”をリアルに感じられます。2人とも特殊メイクをされていますが、それを忘れてこれが素なんじゃないかなと思えるくらい、迫真の演技です。そして、ネタバレしない範囲でテーマだけ言うと、「自分のルーツとは何か?それを知ってどう生きるのか?」ということなのですが、こういった設定で描くセンスに脱帽します。また、伏線も上手く張り巡らされていて、無関係に思われた出来事の繋がりが明かされていくことによって、主人公ティーナとヴォーレの関係性が方向付けられていく展開に釘付けになります。いろんな意味で度肝を抜く描写も数々あり、R-18の理由は観ればわかるはず。そんなこんなで「すごい映画を観ちゃったな」という充実感を得られる作品になっています。
ある意味ロマンチックとも取れる部分はありますが、「ワオ!」というシーンが何度かあり、デートで観るのは少々恥ずかしいかも知れません。何が「ワオ!」なのかはネタバレになるので言えませんが、観終わった後にいろいろと感想を言い合いたくなる映画ではあります。なので初デートには向きませんが、2人で映画を観慣れているカップルなら試しに観てみても良さそうです。
R-18なので、キッズやほとんどのティーンは観られません。いわゆるホラーやエロスの過激描写とは異なる理由でおそらくR指定なのだと思いますが、とてもユニークで、ワイルドな作品なので大人になったらぜひ観てみてください。
『ボーダー 二つの世界』
2019年10月11日より全国公開
R-18+
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト
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TEXT by Myson