REVIEW
史実とされている朝鮮王朝で起きた怪死事件をモチーフに、ユニークな設定を盛り込み、スリリングに描いた本作は、韓国で年間最長No.1記録を樹立し、韓国内の映画賞で最多受賞25冠を果たしました。病を抱える幼い弟と2人暮らしをしている盲目の鍼師ギョンスは、腕をかわれて宮廷で働くことになります。その頃、中国の清から朝鮮に戻ってきた王の息子が、謎の死を遂げ、ギョンスは騒動に巻き込まれてしまいます。
ギョンスにはある秘密があり、その秘密によって運命が大きく動かされます。その秘密が何とも複雑で、時と場合により、有利に働くこともあれば、不利に働くこともあり、観ていてワクワク、ハラハラさせられます。また、ギョンスにとって貧しい身分ながらやっと得た宮廷の仕事は、病気の弟を助けるためにもとても重要で、問題に巻き込まれることですべてを失うリスクがあります。そうした立場から生じる葛藤は、弱者が“見ざる、聞かざる、言わざる”を強いられる世の中を象徴していて、国や時代が違えど、私達にも身近な問題として心に響きます。
ギョンスの秘密を知ると、梟というタイトルやキービジュアルの意味と繋がり、感動を覚えます。スリリングであるだけでなくエモーショナルなストーリーで、韓国でヒットしたのも頷けます。ぜひネタバレされる前に早めにご覧ください。
デート向き映画判定
ムーディな展開は期待できないまでも、誰でも興味を持てるストーリーで、デートで観るのもアリでしょう。逆にまだムーディな雰囲気を求めていない場合や、気楽なデートをしたい方には向いていると思います。清も出てくるとはいえ、物語の舞台がほぼ宮廷内で登場人物も限られているので、構えずに観てください。
キッズ&ティーン向き映画判定
史実をモチーフに創作した作品です。とはいえ、モチーフにした部分自体にインパクトがあり、この時代の朝鮮が実際にどういう状況にあったのか自ずと気になってくると思います。歴史に興味が湧いたら調べてみると、知識も深められて良いですね。
『梟−フクロウ−』
2024年2月9日より全国公開
ショウゲート
公式サイト
© 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & C-JES ENTERTAINMENT & CINEMA DAM DAM. All Rights Reserved.
TEXT by Myson
本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。