自動車運転免許更新の講習の時に、「交通事故を起こしてしまうと大変なことになりますよ」という注意喚起のためのビデオを見せられますよね。そういう要素はもちろんあるのですが、映画なのにそんな内容で終わるはずもなく、後半は全く想像と違う方向にストーリーが展開していきます。前半を観ているうちは、やはり事故を起こしてしまった青年と同乗していた友達の運命を見守ることに集中してしまいますが、知らぬ間に伏線がたくさん張り巡らされていることに気付いた時には、ゾッとする真相が見え隠れして、クライマックスに向けてどんどんスリリングになっていきます。ラストで明かされる真相にゾッとしつつ、事故への後悔以外の後悔も感じられて、最後はキュンとさせられます。エンタテインメント性と、考えさせられる部分とがとてもバランス良く絡み合う構成になっていて、意外性が楽しめる作品になっています。
もしも婚約者が轢き逃げを起こしてしまったら…と想像させられる内容なので、デートで観ると、余計に神妙な雰囲気になってしまうと思いますが、大切な人が困難な状況に陥ったらどうするだろうと考えさせられるので、結婚を考えるくらい本気で付き合っている相手なら、一緒に観るのもアリかなと思います。でも、後半はすごくテンションが変わるので、良い意味で救いの要素もあります。興味があればぜひ一緒に観てみてください。
二重のショックがあり、大人向けの内容なので、せめて中学生以上になってから観るのが良いように思います。2時間強の上映時間の中にすごく内容が詰まっているので、長さはそれほど感じないと思います。親友という関係についても考えさせられる内容なので、友達と観るのはもちろん、親の愛情の深さも感じられる作品なので、親子で観るのもアリです。
『轢き逃げ -最高の最悪な日-』
2019年5月10日より全国公開
東映
公式サイト
©2019映画「轢き逃げ」製作委員会
TEXT by Myson