『ぼくのエリ 200歳の少女』『裏切りのサーカス』のトーマス・アルフレッドソン監督作ということで、シリアスなストーリーかと思いきや、ポップでキュートなストーリーとなっています。
凄腕の金庫破りシッカン(ヘンリック・ドーシン)をリーダーとした強盗グループは、手口は見事ながらどこか間抜けで憎めません。そして、彼等の“シゴト”には、クラシック音楽が欠かせません。音楽の流れに合わせて計画が進んでいきます。その華麗で軽妙な“シゴト”ぶりは観ていて爽快。同時に彼等の人間臭さに親近感が湧いてきます。
ちょいちょい挟まるユーモラスなシーンの数々も印象的で、脇役などから出てくるふいなセリフにもクスッと笑ってしまいます。一方で、アクションシーンには派手さもあり、メリハリが効いています。このセンス、さすがトーマス・アルフレッドソン監督ですね!
本作はスウェーデン映画で、フィンランドの歴史に紐付けたユニークなストーリーとなっています。北欧の独特な空気感もぜひ味わってください。
映画の世界観はどこかホッコリしていながら、テンポ良く展開していき、メリハリのある演出が施されているので、誰でも観やすい作品です。初デートや交際ホヤホヤのカップルで観ても安心して観られます。鑑賞後は作品について掘り下げるもよし、サラッと次の予定に移るもよしなので、終日のデートのメニューにも加えやすいでしょう。
年齢を問わず気楽に楽しめます。上映時間が122分という点で、キッズは集中力が保てるかわかりませんが、小学生高学年以上なら許容範囲でしょう。クライマックスは、どんな駆け引きをするのかも見どころなので、先を予想しながら楽しんでください。
『ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル』
2022年9月2日より全国順次公開
キノフィルムズ
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TEXT by Myson