シリーズ前作と時代設定が変わり、クラシカルなムードが一層濃くなっている本作。冒頭の雰囲気からどうやって、あのキングスマンのテンションに変わるのかというのも見どころで、ジワジワ、ジワジワ、ギューン、ブインブインブインという感じで一旦エンジンがかかると、そこから灰汁の強い展開に見事に変わっていきます。そしてシリーズを通して引き継がれる、品の良さと佇まいからのギャップが魅力のギョエ〜なシーンももちろんあります。同時に今作の特徴としては、不気味さが際立っているところです。正体がわからない組織とそのリーダーのシーンはカメラアングルにすごく凝っていたり、カラクリがいろいろなところに散りばめられています。なので謎解き的なおもしろさもあります。
あとはレイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソン、リス・エヴァンス、ジェマ・アータートン、ジャイモン・フンスー、トム・ホランダー、チャールズ・ダンス、マシュー・グード、ダニエル・ブリュール、アーロン・テイラー=ジョンソン、スタンリー・トゥッチと超豪華キャストが集結していると点も本作の魅力。中でも強烈な印象だったのはリス・エヴァンスが演じたキャラクター。「どこに出てた?」と思ったら、一番クセが強いロシア人役でした(笑)。「どこまで本人がやってるの?」と思えるアクションシーンというか、ロシアンダンス的な機敏な動きは観ていて楽しいし、レイフ・ファインズが演じるオックスフォード公とのシーンが怪しおもしろ過ぎるので、ぜひご注目ください。
今作はかなりメランコリックなシーンもあり、キングスマン的な派手さも健在で、陰と陽のメリハリがとても効いています。ダブルの意味で鳥肌が立つエンディングも見どころで、絶対に皆さんの期待を裏切らない内容となっていますのでお見逃しなく。
シリーズ前作を観たことがあれば、それなりに激しいアクションシーンがあるのをご存じだと思います。痛々しいシーンが苦手な方を誘う場合は少し慎重に、どれくらいが許容範囲か、これまでに観たアクション映画などを聞いてみてからデートで一緒に観るべきかを判断すると良いでしょう。ロマンチックなシーンはちらっとあるくらいで、ムードが盛り上がるというタイプの作品ではないですが、逆に変に気まずくはならないはずなので、デートでも気楽に観られると思います。
PG-12となっていて、過激なシーンがあるので、中学生以上になってから観るほうが良いでしょう。迫力満点で、アクションはもちろん、キャラクター達の衣装や佇まい、振る舞いがとてもカッコ良いので、洋画好きへのきっかけになるかもしれません。映画にハマり出して、いろいろな作品を観てみたいという好奇心に駆られている方はぜひ観てみてください。
『キングスマン:ファースト・エージェント』
2021年12月24日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved
TEXT by Myson
- マシュー・ヴォーン監督、レイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソンら“キングスマン”誕生を彩る豪華キャスト&スタッフ登場!『キングスマン:ファースト・エージェント』ワールドプレミア
- 『キングスマン』(シリーズ1作目)
- 『キングスマン:ゴールデン・サークル』(シリーズ2作目)
- イイ俳優セレクション/アーロン・テイラー=ジョンソン
- イイ俳優セレクション/ジェマ・アータートン
- イイ俳優セレクション/ジャイモン・フンスー
- イイ俳優セレクション/スタンリー・トゥッチ
- イイ俳優セレクション/ダニエル・ブリュール
- イイ俳優セレクション/チャールズ・ダンス
- イイ俳優セレクション/トム・ホランダー
- イイ俳優セレクション/ハリス・ディキンソン
- イイ俳優セレクション/マシュー・グード
- イイ俳優セレクション/リス・エヴァンス
- イイ俳優セレクション/レイフ・ファインズ