映画監督であり“食材救済人”の異名も持つダーヴィド・グロスが、日本の“もったいない”精神に魅せられ、通訳兼旅のパートナーのニキと共に日本各地を旅しながら、食材を救済し、“もったいないキッチン”を各地でオープンしていくドキュメンタリー。本作を観ると、日本の食品ロスは世界トップクラス(毎年643万トン=国民1人当たり毎日おにぎり1個分廃棄していることと同じ)という悲しい現実を知ると共に、その一方で廃棄食材を救うために努力している人達がいることもわかります。 監督が、ある大手コンビニエンスストアを訪れ、廃棄商品を見せてもらい、「食べたらダメですよ」と言われつつも、自己責任ということでその場で堂々と食べるなど、体当たりで取材する姿には皆さんもきっと驚くと思います(笑)。でもそれと共に賞味期限の日付だけをあてにするのではなく、自らの目や舌で確認して食べられるか食べられないかを判断することの重要さも感じることができます。他にも生ゴミ問題や、福島県産の野菜の現在の放射線量のこと、さらに昆虫食についてなど、さまざまな角度から食を見つめられる作品となっています。ぜひ本作をご覧頂き、食について考えるきっかけにしてみてください。
恋愛とは関係のない作品ですが、カップルや夫婦で本作を観て、たまには真面目に食品ロスについて話し合うのも良いのではないでしょうか。そうすることで、相手の新たな一面を発見できるチャンスにもなりそうです。もし一緒に住んでいる場合は、これを機に無駄のない買い物や料理について考え、行動できたら、環境にもお財布にも優しいカップルになれるかも知れません(笑)。
食品ロスの問題がとてもわかりやすく描かれているので、キッズにもティーンにもぜひ観て欲しいです。もしわからない点があった場合は、大人に確認するか、自分で調べて勉強するのも良いと思います。また、本作で得た知識を元に、自宅のストック食材をチェックしたり、何か料理を作ってみるのもオススメです(その場合は勝手にやらずに親御さんにも確認してくださいね)。
『もったいないキッチン』
2020年8月8日より全国順次公開
ユナイテッドピープル
公式サイト
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TEXT by Shamy