相当笑わせてもらいました!「ヤクザが学校経営?」と思う人もいると思いますが、問題を抱える高校生達に対して、ヤクザだからこそ説得力が出る“教育”を施していくという設定がすごく巧みに組み込まれていて、主人公達の世直しにすんなり共感することができるはずです。セリフもウィットに富んでいて、言葉使いにも遊び心があり、役者達の演技力の高さも実感できます。ベタな笑い、昭和的な表現で、特に大人のツボにハマる可笑しなシーンも印象的です。同時に、今どきの若者達や時代を象徴するシーンもわかりやすく描かれていて、いろいろな世代にハマるツボがあるのも本作の魅力。大人としてどうお手本を示していくべきかを描きつつ、若者達への熱く優しいメッセージも含まれていて、老若男女に観て欲しい作品になっています。
ロマンチックなストーリーではありませんが、笑いどころも多く、心温まる人間ドラマなので、デートでも観やすいと思います。ヤクザが主人公ではありますが、バイオレンス映画ほどの痛々しいシーンはあまりありません。学園が舞台で、普段交わることのない大人と子どもの奇妙で楽しい交流が描かれているので、世代を問わず楽しめます。
いろいろな問題を抱える学生が登場し、皆さんが身近に思えるストーリーなので、ぜひ観て欲しいと思います。大人のいうことがうざいと思うこともあると思いますが、映画なら客観視できるので、すんなりと心に染みてくるかも知れません。笑えるシーンもたくさんあるので、気楽に観て楽しんで、さらに得るものがあったら、一石二鳥ですよね。
『任俠学園』
2019年9月27日より全国公開
エイベックス・ピクチャーズ
公式サイト
©今野 敏 / ©2019 映画「任俠学園」製作委員会
TEXT by Myson