一ノ国と二ノ国があり、命の繋がった存在がそれぞれにいて、片方の命が脅かされた時、「どちらの命を奪うか、または残すか」という究極の選択をテーマにした物語。画のタッチやファンタジックなキャラクターからファミリー向け映画だというイメージを持つ人もいるかも知れませんが、テーマに重みがあるのはもちろん、精神論的な設定もあり、子どもはもちろん大人でも楽しめるストーリーになっています。また一ノ国と二ノ国がどういう関係性にあるのかという真相を解くために、どのシーンに謎を解く鍵が隠されているのか伏線を辿る楽しみがあり、ラストでより充実感を味わえます。
そして、何より本作は声優陣が豪華です。宮野真守、坂本真綾、梶裕貴、津田健次郎、山寺宏一といった人気声優がこれだけ揃っているのはもちろん、メインキャストを演じる、山﨑賢人、新田真剣佑、永野芽郁といった人気若手俳優の声質の魅力も伝わってきます。さらに“レイトン”シリーズや“妖怪ウォッチ”シリーズなどを手掛けてきたヒットメーカー日野晃博が製作総指揮、原案、脚本を務め、監督はスタジオジブリで『火垂るの墓』の原画や『平成狸合戦ぽんぽこ』の絵コンテ作画、『もののけ姫』CG制作などを担当してきた百瀬義行が担当、音楽は数々の名作を手掛けてきた久石譲が務めています。いろいろな視点で楽しんでください。
本作は仲の良い3人組(男子2名、女子1名)のラブストーリーが、彼らの運命を左右する鍵を握っています。三角関係と一言でいうとカップルで観るには気まずいストーリーに思えるかも知れませんが、そういったイメージとは少し異なる設定になっているので、カップルでも安心して観られます。むしろ、愛する人のためにそれぞれが葛藤し、目の前の問題と戦う話なので、とてもロマンチックです。初デートで観ても問題ないでしょう。
ティーンが主人公の物語で、友情や恋愛など皆さんに身近なテーマが描かれています。命の重み、一人ひとりの存在の重さを感じさせるストーリーになっていて、自分ならどうするか自然に考えながら観ることができます。剣で戦ったり、プリンセスが出てきたり、ファンタジックな世界も皆さんが楽しめるポイントでしょう。ぜひ仲の良い友達を誘って観てください。
『二ノ国』
2019年8月23日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©2019 映画「二ノ国」製作委員会
TEXT by Myson