ハグって大事!幼少期の親の愛ってすごく子どもに影響があるんだなと実感。音楽に疎いほうなので、エルトン・ジョンのことも詳しく知りませんでしたが、ど派手で華やかなステージ衣装とは裏腹に、こんなに孤独な人生を耐えてきたのかと驚きました。彼の心を深く傷つけたさまざまな体験と、その時に作られた歌が折り重なってストーリーが語られていくので、「この曲ってエルトン・ジョンなんだ!」というのと同時に、「そんな背景があったんだ!」という驚きがあって、彼のことをよく知らない人でも彼の歌に改めてすごく興味が湧くはず。孤独な天才ピアニストであり、ロックンローラーである彼が大スターになり、ようやく大切な人にも認められると思っていたところで、再び浴びせられる理解のない言葉や態度が衝撃的で、悲しくなると同時にこんな理不尽なことがあっても良いのかと憤りも感じます。多くのファンから愛されても、本当に愛して欲しい人からは愛されない運命ってなんて皮肉で残酷なんでしょう。名声=幸せではないし、幸せって何だろうと、スターか一般人かというのを抜きにして考えさせられます。でも、一方で彼を支えた友人との深い絆が癒やしと希望を与えてくれて、優しさを感じる作品でもあります。
そしてそして、エルトン・ジョンを演じたタロンが最高!チャーミングで哀愁たっぷりな魅力溢れる姿を見せてくれて、歌声も素晴らしいです。悲しいストーリーだけど、愛おしさを感じる作品です。
誰もが知っているエルトン・ジョンのお話で、たくさんの名曲が流れます。スターとしてというより、1人の人間としての苦悩が描かれている点で、誰もが共感できるし、カップルで観て気まずいシーンもあまりありません。ウルッときてしまうシーンが何度かあるので、女子の皆さんはハンカチとメイク直しグッズを忘れずに。
若い皆さんでも聴いたことがあるくらいの名曲をたくさん作ってきたエルトン・ジョン。なので、彼のことを知らずに観ても感情移入はできるはずです。彼の幼い頃からの苦悩が描かれている点で、むしろ皆さんのほうが等身大で心情を理解できる部分も多いかも知れません。上映時間は2時間あるので、キッズは集中力が持つかわかりませんが、中学生以上なら、主演のタロンを好きな人もいそうなので、ぜひ観てみてください。
『ロケットマン』
2019年8月23日より全国公開
東和ピクチャーズ
公式サイト
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TEXT by Myson