遂に終わっちゃうのかと寂しくなっちゃいますが、シリーズ最後を飾るにふさわしい切なくて熱い物語となっています。剣心はなぜ“人斬り抜刀斎”として恐れられながらも、後に斬れない刀=逆刃刀<さかばとう>を持つことになったのか。その謎が今作で明かされます。今作はこれまでの作品とはトーンが異なりますが、理由は大きく分けて2点あると思います。1つはアクションシーン。今作で描かれる時代では、剣心は“人斬り抜刀斎”として暗躍しているので、血しぶきが飛び散る激しいアクションシーンとなっています。そしてもう1点は、かなりラブストーリー調に描かれているところ。剣心がこれまであまり見せなかった一面が観られるわけですが、もう恋する剣心がカッコ良すぎて、佐藤健に惚れる方がまた続出しそうです(笑)。そして、有村架純が演じる巴もすごくミステリアスで魅力的。普通の恋愛ではないだけに、切なさも倍増してキュンキュンしちゃうと思います。
ここから先は本編で観ていただくとして、この物語は始まりでもあるので、まだ本シリーズを観たことがないという方は、逆に本作から観るのもアリだと思います。時系列で観るとどうなのかを探るのもおもしろそうなので、一通り観たという方もぜひまた前作を時系列でおさらいしてみてはどうでしょうか?
前述したようにアクションシーンの激しさが増している感はありますが、スピード感を持って描いているので、怖くて観られないというほどではないでしょう。今作はラブストーリーといっても過言ではなく、ロマンチックで切ないシーンがふんだんなので、デートで観ると良いムードになれそうです。シリーズの他の作品を観ていなければ、それを一緒に観る約束もすると、複数回デートの約束もできますね(笑)。
小学生中学年くらいならもうこのシリーズを観始めている方もいそうですね。ティーンの皆さんを含め、もうここでわざわざ薦めなくても観ようと思っている方は多そうですが、敢えて言うなら、シリーズのこれまでの作品とはまた違った魅力があるし、本作を観たらきっと恋愛って素敵だなと思えるでしょう。今は特定の好きな人がいなくてもキュンキュン必至なので、ぜひ本作で恋愛を疑似体験してください。
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』
2021年6月4日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
TEXT by Myson