何から何までスゴい!まず本作は、”3D+in HFR”という技術を使って撮影されています。これはこれまでの映画のフレームレート(1秒間に24コマ)の2.5倍に匹敵するデジタルフォーマットで、毎秒120フレームの素材として撮影されたマスターから制作されています。…と、そんな専門的なことはちんぷんかんぷんでも、映像を観ればその技術の成果を実感できます。これまでの3Dとは没入感がダントツに違い、本当に主人公と同じ空間にいて、目の前で観ているような感覚になります。そして、何より驚くのは、年齢が全く違うウィル・スミスが2人いることです。ジュニアと呼ばれるキャラクターのほうは23歳ですが、もちろん今のウィル・スミスが演じています。公式資料にあるVFX責任者の言葉によると、「若返りの映像技術を使ったわけでも、顔の入替をしたわけでもない。ジュニアは完全なるデジタル技術で作り上げたもので、100%ウィル・スミスの演技で成り立っている」ということです。ここで23歳のウィル・スミスが超リアルに具現化されていることにも驚きますが、内面的なところもちゃんと若いという点が見どころで、これを演じ分けているウィル・スミスの演技力の高さが実感できます。ストーリーについては、まっさらな状態で観たほうが楽しめると思いますので、ここでは控えますが、心理学的に観てもおもしろい観方ができるので、それは別のコラムで書きたいと思います。
3D+in HFRで撮影された映像が堪能できる設備でぜひ観て欲しいのですが、没入感が半端ないので、凄腕スナイパー同士のアクションシーンは、自分達が巻き込まれたような感覚でアトラクションを楽しむように観ることができます。ロマンチックな展開はあまりありませんが、逆にここまでガッツリSFアクションだと、どんなデートでも観やすいでしょう。
本作は、革新的な技術を駆使して作られていて、この時代だからこそ実現した作品だと言えます。そんな時代の皆さんはどんどん目が肥えていくと思いますが、同時にいろいろなことが実現できる時代に生きていることを実感してもらえると思います。ストーリーの展開も早く、アクションシーンは激しくて目が離せないほどなので、キッズでも小学生中学年以上なら集中して観られると思います。
『ジェミニマン』
2019年10月25日より全国公開
東和ピクチャーズ
公式サイト
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TEXT by Myson