ある人間の魂が、別の人間の身体を借りるという設定はこれまでの映画でもありましたが、本作の設定は捻りがあってユニークです。もともと録音されていても上書きできるカセットテープがキーアイテムになっていて、2人の主人公、アキ(新田真剣佑)と颯太(北村匠海)は、カセットテープのような“重なり方”をします。って、こんなに美しいお顔の2人が重なるなんて、どんだけ贅沢なんでしょうか!「選べな〜い」って心の中で盛り上がりながら観る女子が大量発生すること間違いナシです(笑)。
さらにその“重なり”によって、人間関係や恋が一度は複雑になり、折り返しで、いろいろな物事があるべき姿へと変化していくドラマ性も見応えがあります。前半ではアキの快活なノリが世界観を明るくしていますが、後半は颯太自身の成長と変化、それに伴うアキの存在の変化がとても切なく描かれていて、キュンとさせられると同時に清々しい感動を与えてくれます。脇を固める面々も、葉山奨之、上杉柊平、清原翔とイケメン揃い。目も心も潤してくれる作品で、女子のハートはわしづかみされますよ!
とてもロマンチックなストーリーですが、複雑な心境になる展開もあります。女子としてはヒロイン目線でいかようにも楽しみ方がありますが、ヤキモチ焼きの男子は誰に感情移入するかで反応が変わりそうです。そういった点で大丈夫そうなら、デートで観るのもありでしょう(笑)。
リアルタイムではカセットテープを知らない世代の皆さんにとって、本作は大人とは違った見え方をすると思いますが、とても新鮮に感じるのではないでしょうか。アナログだからこその味があり、その仕組みに興味を持つ人もいそうな気がします。観終わった後は、大人にカセットテープについて聞いてみると、懐かし過ぎてたくさん語ってくれるはずです。人気若手俳優がたくさん出ているので友達と観るのもアリだし、親子で観るのもアリですよ。
『サヨナラまでの30分』
2020年1月24日より全国公開
アスミック・エース
公式サイト
TEXT by Myson
©2020『サヨナラまでの30分』製作委員会