コリン・ファースとスタンリー・トゥッチ、2人の名優が織り成す切ないラブストーリー。ピアニストのサム(コリン・ファース)と作家のタスカー(スタンリー・トゥッチ)は、20年来のパートナーとして連れ添っています。そんな2人はある日、キャンピングカーで長旅に出かけます。道中、痴話げんかをしながらも仲睦まじい2人。でも、タスカーにとってその旅の本当の目的は別にありました…。
彼等と全く同じでなくても、誰にでも起こりえることが本作には描かれています。サムとタスカーそれぞれが究極の選択を突きつけられるのですが、お互いを深く愛するからこそ葛藤する姿が胸に刺さります。そして、サムとタスカー2人ともがとても愛おしいキャラクターとなっていて、ふとしたセリフやさりげないやり取りにラブラブ感が溢れていて、ホッコリさせられます。そんな2人の姿が美しいからこそ切なさも増すんですよね。公式サイトによると、実はサム役とタスカー役は最初逆だったようです。でもコリン・ファースとスタンリー・トゥッチは何度も脚本を読むうちに逆にすべきだと考え、ハリー・マックイーン監督の前で2人ともが両方の役を演じてみて、逆にしようということになったそうです。2人の演技力ならどちらでも上手に演じそうですが、コリン・ファースはサムにピッタリ、スタンリー・トゥッチはタスカーにピッタリなので、元々逆の配役だったと知るとなお驚きます。静かにストーリーが進んでいく作品ですが、結末へ向けて2人の心が覚悟とともに大きく心が動いていく様子がとても丁寧に描かれた作品です。名優の共演をご堪能ください。
年を重ねると、こういった選択を迫られる可能性はどんなカップルにもあると思います。そうなってから話し合うのはもちろんですが、まだ目の前にそういった状況がない時だからこそ話し合うと、お互いの人生観が一層わかると思います。自分達がサム、タスカーそれぞれの立場ならどうしたいか、映画を観終わった後に語り合うのはいかがでしょうか。
キッズの皆さんにはまだ難しい内容だと思うので、大人になってから観ると良いでしょう。ティーンの皆さんもまだ身近な問題に感じるまではいかないと思いますが、主人公達と同じシチュエーションでなくても、好きな人のために自分ができること、そのために自分は何かを犠牲にしたり妥協したりしなければいけないこともあると、本作から知ることができると思います。
『スーパーノヴァ』
2021年7月1日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト
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TEXT by Myson