REVIEW

THE BATMAN-ザ・バットマン-【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ロバート・パティンソン

クリストファー・ノーラン監督×クリスチャン・ベール版の“バットマン”も大好きですが、このマット・リーヴス監督×ロバート・パティンソン版“バットマン”もすごく好きです!176分という上映時間もあっという間でした。“バットマン”シリーズはヴィランも魅力的ですが、本作ではリドラーが軸となっています。リドラーと言えばなぞなぞ好きということで、本作のバットマンは彼に対抗すべく名探偵ぶりを発揮している点も見どころとなっています。リドラーが投げかける謎にバットマンと一緒に考えながら観ると楽しいですよ。
そして、映画ファンとしては個性派俳優が勢揃いしているのも嬉しいポイント。まずブルース・ウェインを演じたロバート・パティンソンは、こういう悲壮感漂うミステリアスな役が本当に似合います。また、セリーナ・カイルを演じたゾーイ・クラヴィッツは、抜群のスタイルで着こなすスーツ姿はもちろん、愛らしい表情とクールな仕草のバランスでキャットウーマンを見事に体現しています。あと印象に残ったのはコリン・ファレルが演じたペンギン。コリン・ファレルはどこに出てるのかと探したほどの変身ぶりです。ペンギンの特殊メイクには毎回3時間かかっていたそうで、そのメイクの精巧さにコリン・ファレルの演技が組み合わさり、ペンギンの不気味さが際だっています。ちなみに公式資料によると本作のペンギンは、『ゴッドファーザー』のフレドを参考にしたそうですよ。他にもポール・ダノ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライト、ピーター・サースガードが出演しており、誰がどの役で出てくるのか前情報を入れずに観るのもオススメです。
あとバットマンといえば、バットスーツやガジェット、バットモービルなども見どころですよね。本作のアイテムはどれもスタイリッシュで、どこかクラシックな雰囲気があり、本作の世界観を見事に形作っています。その中でもバットモービルは強いインパクトを放っており、公式資料によると、本作のブルース・ウェインはバットマンとして2年目を迎えたばかりという設定に合わせて“初期段階”のバットモービルが作られたとのことです。このように本作には随所にこだわりとバットマン愛が滲み出ています。
バットマンは何度も映像化され、私達もさまざまなバットマンを観てきました。なぜまた今“バットマン”の映画を作るのかと思う方もいるかもしれません。でもそれは本作を観ていただければこれこそ今必要とされている“バットマン”なのだとわかります。“バットマン”の存在意義を問うストーリーが本作の1番の見どころで、これまでの“バットマン”とは少し角度が違ったおもしろさとなっています。

デート向き映画判定
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ロバート・パティンソン/ゾーイ・クラヴィッツ

アクションと謎解きとロマンチックなシーンと、いろいろな要素があるので老若男女が楽しめる作品となっています。カップルで観て気まずくなるようなシーンもなく、程よくムーディなシーンがあるので、デートの雰囲気にも合うのではないでしょうか。過去の“バットマン”シリーズを観ていなくても問題ありませんが、逆に“バットマン”の世界観が気に入ったら、後日一緒に他のシリーズも観てみると良いでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ポール・ダノ

上映時間がかなり長いので、小学生以下のキッズの皆さんは集中力が続くかどうか気になるところですが、謎解きが要所要所に出てくるので、飽きずに観られると思います。ただ約3時間という長丁場ですので、途中でトイレで離席しなくて良いように直前にトイレに行っておきましょう。

映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ロバート・パティンソン

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
2022年3月11日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

劇場版『トリリオンゲーム』今田美桜 今田美桜【ギャラリー/出演作一覧】

1997年3月5日生まれ。福岡県出身。

中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』オリジナルQUOカード(500円分) 2名様プレゼント

中国ドラマ『このロマンスはフィクションだから』オリジナルQUOカード(500円分) 3名様プレゼント

映画『ベイビーガール』ニコール・キッドマン/ハリス・ディキンソン ベイビーガール【レビュー】

シンプルに娯楽として楽しむ方、真面目に観る方、両方…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  2. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
  3. 映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ
  4. 映画『ベイビーガール』ニコール・キッドマン/ハリス・ディキンソン
  5. 映画『エミリア・ペレス』ゾーイ・サルダナ/カルラ・ソフィア・ガスコン

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP