本作は、ミニシアターでの公開ながら異例の大ヒットを生み出した『音楽』の作者でもある天才漫画家、大橋裕之の幻の初期作集“ゾッキA”“ゾッキB”を原作に、俳優、クリエイターとしても活躍する竹中直人、山田孝之、齊藤工の3人が映画監督として共同制作した作品。キャストも豪華で、吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、安藤政信、ピエール瀧、竹原ピストル、松田龍平、國村隼らが出演し、それぞれ個性豊かな人物を演じています。詳細は本編でのお楽しみですが、あてがないというアテを頼りにママチャリで旅に出る男、友達から“いるはずのない自分の姉”に恋をしたと告げられて頭を悩ませる少年、幼い頃に体験した奇妙な出来事を回想する青年などの物語が綴られていて、1つの物語でありながらも、いくつかのエピソードが交わるおもしろい作品です。常に、「次はどんな展開が待ち受けるのか?」「誰がどんな役を演じているのか?」と気になるので、物語にどんどん引き込まれていきます。さらに、今回は3人の監督ということで、「どの部分を誰が監督していたのか?」という点も、ぜひエンドロールのクレジットにご注目ださい。また、本作制作の裏側に迫ったドキュメンタリー映画『裏ゾッキ』も2021年春に公開予定なので、そちらも合わせて観るとより楽しめそうです。
恋愛エピソードも少しだけありますが、メインは人間ドラマです。本作には不思議な体験をする人達が登場しますが、なかには日常を切り取ったようなエピソードもあり、さまざまな観方ができる作品です。観賞後は感想を語りつつ、誰に共感したのかや、お互いの不思議な体験について語り合っても楽しいと思います。また、本作の裏側に迫るドキュメンタリー『裏ゾッキ』の公開も控えているので、次のデートで誘うのもオススメです。
竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督で、有名な人達がたくさん登場するという点だけでも見応えがありますが、子どもから大人までさまざまなキャラクターが登場するので、人間観察をする感覚で観てみてください。また、親子や友人関係の物語もあるので、きっと皆さんにも共感できるエピソードが見つかると思います。
『ゾッキ』
2021年3月26日愛知県先行公開、4月2日より全国公開
イオンエンターテイメント
公式サイト
© 2020「ゾッキ」製作委員会
TEXT by Shamy