2020年は新型コロナウィルス感染症の影響でハリウッド・アクション超大作の多くが公開延期となったので、それに飢えている映画ファンにとっては、本作そのものが救世主となるといっても良いのではないでしょうか。冒頭のアマゾン族のシーンから壮大なスケールで描かれていて、一気にこの世界観に引き込まれます。そして本作では“真実”が重要なテーマになっていて、真実がダイアナのその後の運命にどれだけ大きなインパクトを与えるものになるか、冒頭のシーンでしっかりと伏線が張られています。
また、シリーズ前作を観た人はクリス・パインが演じるスティーブがなぜ出てくるのか不思議に思うはず。今作では、スティーブがまたダイアナのもとに現れることこそがダイアナの試練となり、ラブストーリーとしての見どころにもなっています。そして、今回はダイアナのファッションだけでなく、スティーブのファッションにも要注目。2人のやり取りのなかにコミカルなシーンもあって、緊張と緩和が程よい感じでテンポも良く、上映時間の2時間半もあっという間です。
全体として今作は、ダイアナの身体的な強さだけでなく、真の強さが試されるストーリーになっていると同時に、現代社会に蔓延する行き過ぎた個人主義にも一石を投じるテーマを描いています。ダイアナがラストで発するメッセージは、ある意味新しいなとも思えて、現代社会を見つめ直す意味でも見応えのある作品となっています。もちろんダイアナがめちゃめちゃ美しくてカッコ良いので、爽快感も存分に味わってください。
今作はラブストーリーといっても良いくらいの内容で、ロマンチックなシーンが多く、ダイアナがスティーブと一緒にいて幸せというムードが存分に伝わってきます。切ないシーンもあってキュンとするので、隣りにいる好きな人を一層愛おしく感じられるかもしれません。アクションは当然迫力があり、老若男女楽しめる内容で、どんなカップルのデートにもピッタリです。初デートでも安心して観られますよ。
冒頭のシーンでは、幼き頃のダイアナが登場してカッコ良い姿を披露しているので、キッズの皆さんもグッと引き込まれると思います。また、ダイアナ以外のキャラクターのストーリーでは親子関係が重要な鍵を握っているので、親子で観るのもアリでしょう。上映時間は長めですが、見せ場が要所要所にあるので、飽きないはず。またダイアナ自身が華やかでスタイル抜群なので、彼女のファッションを観ているだけでも楽しめます。
『ワンダーウーマン 1984』
2020年12月18日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
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TEXT by Myson