2016年に放送されていた人気テレビドラマを映画化した本作では、ゆとり世代の主人公達が30代半ばとなっています。実は私はテレビドラマは観たことがなく、本作から初めて観て、こんなにドタバタ喜劇だったのかと驚きながら楽しみました。一見何でもない日常にありえない展開が絶妙に盛り込まれていて、親近感がありながら見応えも感じます。“インターナショナル”がテーマとなっている点でも、劇場映画的になっているので、ドラマを観ていた方には一層新鮮味を感じられるのではないでしょうか。
一歩間違えると滑りそうなシーンも多々あるものの、ここまで振り切っていると笑えます。これは、実力派俳優が結集しているからこそ実現できた部分ともいえそうです。そして、個人的に1番光るものを感じたキャストは木南晴夏です。彼女はインターナショナルな設定のキャラクターで、英語、韓国語を流暢に話します。言葉だけではなく漂わせている雰囲気まで、韓国映画や韓国ドラマで観る韓国人で、そのなりきりぶりに驚かされます。
多様性、ハラスメント、テレワークなど、世の中の変化、問題を題材にしながら、ゆとり世代がどう乗り切るのかを描いています。すったもんだありながら、ほっこり幸福感が得られる本作は、気分転換や元気になりたい時にオススメです。どうやら、シリーズとしてはまだ続きそうなので、続編にも期待しましょう。
2人ともテレビドラマから本シリーズを観ていたなら、ノリもわかっているはずなので心配不要ですね。本作から初めて観るとしても、話にはついていけます。クスクス笑えるシーンが満載なので、朗らかな雰囲気になれそうです。ただし、セクシャルな話題が割と赤裸々に出てくるので、初デートだと人によっては気まずいと思うかもしれません。
松坂桃李が演じる山路一豊が小学校の先生ということもあり、小学生の間で繰り広げられる人間模様も観られ、キッズやティーンの皆さんも親近感を持てる部分があります。コメディながら現代の社会問題に切り込んでいて、大人達の本音が見えます。社会を眺めるスタンスで楽しんでみてはどうでしょうか。
『ゆとりですがなにか インターナショナル』
2023年10月13日より全国公開
東宝
公式サイト
©2023「ゆとりですがなにか」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。