2014年9月27日より全国公開
ディーライツ
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ミステリー要素と恋愛要素が絶妙なバランスの作品でした。本作は、原作が島田荘司による同名小説で、『オー!ファーザー』で長編監督デビューした藤井道人による映画化作品となっています。 タイトルにある“幻肢”とは、不慮の事故で手足を失ってしまった人が、ショックによる自我の崩壊を防ぐために脳が手足の幻を見せることを言い、実際に存在する現象のようです。物語は主人公の雅人が交通事故により記憶喪失になってしまうところから始まります。おもしろいのは雅人の場合、幻肢現象によって忘れてしまった恋人が見えるという点。最初は恋人がどんな人物だったのかという興味から入りますが、だんだんと雅人自身が何者なのかが追求されていき、追い込まれていく様子がまさにミステリーで楽しめました。ラブストーリーの点から観ても、幻として現れた恋人との関係がどうなってしまうのか、事故の前に2人の間に何が起こったのかなど、たくさんの伏線が散りばめられていていろいろと想像しながら観られるのも良かったです。単純なラブストーリーに飽きてしまった方、ミステリー好きの方にはぜひ観て欲しい一作です。 |
どの世代のカップルにもオススメしたい作品です。カップル間の問題が描かれている部分もあるので、本作を反面教師として観ても良いと思います。雅人の場合は、事故をきっかけに相手の気持ちを知りますが、2人の間に何かが起こる前に相手に対して思いやりの気持ちを持てているのか見直してみてはいかがでしょう。もちろん単純にミステリーの部分を楽しんでもオーケーです。 |
キッズもティーンも観られる作品ですが、科学的な説明が出てくる場面もあるので、キッズにはちょっと難しいかも知れません。もし観るのであれば大人と一緒に観て、観終わったらわからなかったところを聞いてみましょう。ティーンは、それぞれの登場人物の気持ちに注目して観てください。本作では恋人同士のやり取りを通して、人を思いやる気持ち、相手にかける言葉などの大切さなどが描かれていますが、相手が恋人でなくとも自分が周囲の人にどんな態度をとっているのか振り返ってみましょう。 |
©2014映画「幻肢」製作委員会
2014.9.16 TEXT by Shamy