累計発行部数350万部を超える大ヒット少女マンガ「マイルノビッチ」(佐藤ざくり著/集英社マーガレットコミックス刊)が実写ドラマ化された本作で、キノコ頭で地味で冴えない恋愛経験ゼロの女子まいるを演じた桜井日奈子さん、神業メイク術と的確で毒舌なアドバイスでまいるの変身をプロデュースする天佑を演じた神尾楓珠さんにインタビュー!お2人が魅力を感じる人や、どんな高校時代を送ったかなども聞いてみました。
<PROFILE>
桜井日奈子(さくらい ひなこ):木下まいる(きのした まいる)役
1997年4月2日生まれ。岡山県出身。2014年に、岡山美少女・美人コンテストで美少女グランプリに輝き、翌年“岡山の奇跡”として注目を集める。映画『ママレード・ボーイ』(2018)や『殺さない彼と死なない彼女』(2019)、ドラマ『マヤヌスの鏡』(2019)や『ふろがーる!』(2020)などで主演を飾る。また、現在放送中の『沼にハマってきいてみた』では、月曜のレギュラーMCを務めている。2021年上演の舞台“17again”では、初めてミュージカルに挑戦。
神尾楓珠(かみお ふうじゅ):熊田天佑(くまだ てんゆう)役
1999年1月21日生まれ。東京都出身。2019年にヒットしたドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』に出演して注目を集め、2019年秋には、『左ききのエレン』で連続ドラマ初主演を飾った。2020年は、『鈍色の箱の中で』『いいね!光源氏くん』『ギルティ この恋は罪ですか?』などのドラマに出演。主な出演作は『兄に愛されすぎて困ってます』『うちの執事が言うことには』『HiGH&LOW THE WORST』『転がるビー玉』『裏アカ』『私がモテてどうすんだ』『ビューティフルドリーマー』『樹海村』など。
※前半は合同インタビュー、後半は独占インタビューです。
女子の裏表、男子の裏表を見抜ける!?
記者A:
役について伺いたいのですが、桜井さんは天佑、神尾さんはまいるの魅力を聞かせてください。
桜井日奈子さん:
天佑の魅力は見守っていてくれるというか、「こうしたほうが良いに決まっている」みたいな意見があっても、それを押し付けずに「じゃあやってみたら良いんじゃない」「いいと思うよ」っていう感じが良くて。それでも迷ってしまった時には的確なアドバイスをくれるという、まさに神のような人だなと思います。それが天佑の優しさで、自分の悩みとかはあんまり表に出さずミステリアスな感じも惹かれる一面だなと思います。
記者A:
神尾さんが天佑に似ているところはありますか?
桜井日奈子さん:
私生活が見えない感じで、ミステリアスなところが似ていると思います。
記者A:
今聞いた内容は自分でも似ているなと思いますか?
神尾楓珠さん:
思います。テンションも似ていますし、感情が出ないところとかも。
記者A:
悩み相談をされた時にあまり押し付けないみたいなところはありますか?
神尾楓珠さん:
そうですね。基本聞き役になることが多くて、要所要所で言ってやろうみたいな心意気です(笑)。
記者A:
すごい!じゃあ結構神に近い領域なんですね。
神尾楓珠さん:
そんなに良い話ではないです(笑)。
記者A:
神尾さんは、まいるの魅力はどこだと思いますか?
神尾楓珠さん:
まいるはすごく一生懸命じゃないですか。言われたことをとりあえずやってみようと自分で1回頑張るっていうのが魅力だと思いますし、すごく一生懸命なんですけど、やっぱりちょっと黒い部分もあるじゃないですか。それがより人間らしいというか、ただ頑張っている良い子ちゃんじゃないというところが良いなと思います。
記者B:
それは神尾さんから見て女性として魅力的ですか?
神尾楓珠さん:
そうですね。それくらいの黒さとかも出してくれるほうがこっちとしても上辺じゃない付き合いができそうって思います。
記者A:
桜井さんは、今そう言われてみて自分とまいるが似ているなと思うところはありますか?
桜井日奈子さん:
黒いところは私のほうがたくさんあるって思いますけど(笑)。今神尾くんが言っていた「そういう黒い部分を出したほうが打ち解けられる」っていうのは腑に落ちた気がします。どうしても隠してしまうし、良いように見てもらいたいからそうじゃないフリをすることのほうが多いんですけど、そういう黒い部分を出す勇気っていうのは人付き合いをするなかで必要なタイミングがあるなと思います。
マイソン:
今のお話の流れで、異性とか同性に関わらず、すごく魅力的って思う仕草とか態度とか、ついつい見てしまうところってありますか?
桜井日奈子さん:
私は笑顔ですね。笑っている時の目元にキュンとしてしまう。目を線みたいにして笑う人が好きで見ちゃいますね。
マイソン:
基本的に笑顔が多い人か、全然いつも笑わないのに時に笑顔を見せる人だと、どちらが良いでしょう?
桜井日奈子さん:
基本的に笑顔でいる人のほうが安心して喋れるから良いなと思います。でも、普段笑わない人にクシャッとした笑顔を見せられたら、それはそれで高ポイントでくらってしまうと思います(笑)。
マイソン:
ですよね(笑)。神尾さんはどうですか?
神尾楓珠さん:
切り替えが上手い人が良いですね。プライベートと仕事の切り替えもですけど、そういうのがきちんとできる男の人だったらカッコ良いなって思います。そういう大人になりたいです。
マイソン:
それが女性だとどうですか?
神尾楓珠さん:
女性だとちょっと怖いなと思いますけどね(笑)。でも自立しているようには感じますね。
マイソン:
さっき黒い部分のお話からドラマの1話を思い出したんですが、女子同士バトルをして見せる顔と男子の前で見せる顔の違いに男子って気付いているのかなってすごく気になりました。
神尾楓珠さん:
わかっていると思います。たぶんそこまで鈍くないと思います(笑)。「あ、あそこギスギスしているな」とか、「今あいつの奪い合いが起こっているな」とか、結構わかると思います。
マイソン:
そうなんですね。桜井さんは男の人の裏表みたいなのを感じることってありますか?
桜井日奈子さん:
鈍いと思いますね。たぶん騙されやすいので、チョロい気がします(笑)。前にロケで韓国に行った時にすごく高い値段の海苔を買わされたことがあって、「安くしてあげる」って売ってくれたので喜んでいたんですけど、後から聞いたらめちゃくちゃぼったくられていたんです(笑)。そういうチョロさがあります。
マイソン:
まだ最近のことだと思うんですが、高校生の頃にハマっていたことはありますか?
桜井日奈子さん:
高校生ってもう遠い記憶なんですよね(笑)。7年前とかなので。私はひたすら部活をやっていました。13年間バスケットボールをやっていて、父がコーチをしているという環境だったので、土日や休みの日も旅行にも行かず、ずっと練習していました。
マイソン:
部活一筋だったんですね。服装とかって女子高生だとすごく時代の変化が出ると思うんですけど、今の女子高生を街で見てこれは新しいって思うことはありますか?
桜井日奈子さん:
やっぱりメイクが上手ですよね。たぶんYouTubeとかで簡単にメイクのポイントを勉強できるからだと思うんですけど、大人っぽい子が多いなという印象です。
マイソン:
確かにそうですね。神尾さんは高校時代にハマっていたことはありますか?
神尾楓珠さん:
僕は高1までサッカーをやっていました。地元は東京の下町で、それまではあまり都会に出ることがなかったんですが、サッカーを辞めて転校してこの仕事を始めて、高校は都心だったので、都心ってすごいなと思いました。以前は周りに河川敷しかなかったので、「カラオケがこんなにあるんだ!」と思って、友達といろいろなカラオケに行きました(笑)。
マイソン:
男子高生にも時代の変化ってありますか?
神尾楓珠さん:
あんまりないんじゃないですかね?どう?
桜井日奈子さん:
でも今って男子もメイクするよね?
神尾楓珠さん:
いるいる。
桜井日奈子さん:
韓国のアイドルの影響とかもあると思うんですけど、すごい色白とか。
神尾楓珠さん:
ヘアスタイルはやっぱり流行りがあるなと思います。僕らの時は、マッシュみたいなのが流行っていましたね。似合わないってわかっているので、僕はやっていませんけど(笑)。
記者B:
まいるのイメチェンのようにこれをしたから自分が変わったとか、これを買ったからちょっと生活が変わったとか、変化のきっかけとかがあれば教えてください。
神尾楓珠さん:
サッカーをやっていたんですけど、サッカーを辞めてからは悪いほうにいっちゃいましたね。生活リズムも狂いましたし、外に出なくなって、すごく省エネ人間になってしまいました。
記者B:
サッカーを辞めてから俳優のお仕事をされているということだったのですが、それはサッカーを辞めたこともきっかけだったんですか?
神尾楓珠さん:
最初は高校の遊びの延長みたいな感じで始めて、サッカーに代わるものとして始めたわけではありませんでした。でも結果的にやって良かったです。当時は何もかも適当だったと思いますが、何か1つ熱中できることがないとダメなんだなと本当に思いました。
桜井日奈子さん:
それでいうと私もバスケをやっていて良かったなと思っていて、幼稚園から高3までずっとやっていたので、1つのスポーツをずっとやるということにまず意味があったように思います。そこで身に付く根性とかスポーツマンとしての礼儀とか上下関係とか、そういうのは仕事をやっていく上でも役に立っている気がします。
お2人が考える俳優の醍醐味、そして俳優以外の職業への興味は?
マイソン:
俳優をやっていて良かったと思えること、このお仕事の醍醐味だと感じることがあったら教えてください。
神尾楓珠さん:
そもそも普通に娯楽として観ているものに自分が出られるというのは、やっぱり夢があるなと思います。そのなかで自分がどこまでやれるのかがずっとモチベーションになっています。
マイソン:
やっていて想像と違った面はありますか?
神尾楓珠さん:
僕は元々この仕事を一生やりたいと思って入ったわけではなく、すごくフラットな入り方をしたので、失望するようなことはありませんでした。このお仕事にすごく夢を持って、華のある仕事だと思って入っていたら、挫折とか失望もあると思うんですけど、僕はこういうものなんだなと受け入れられているという感じです。
マイソン:
桜井さんはどうですか?
桜井日奈子さん:
自分とは全然違う人の人生を生きることができるという部分では、何にでもなれるという可能性を感じられるし、役を通してまた新たな自分を発見することもあって、それが醍醐味かなと思います。
マイソン:
撮影がまだ続いている時に、家に帰っても役を引っ張るということはありますか?
桜井日奈子さん:
わりと家ではもう何の感情も動かないですね。現場で感情的になったり、何かをすごく感じたりということがある分、その日撮影が終わると空っぽになっていて、本当に無音でいたい、「スン!」という感じですね。
マイソン:
ハハハハ。じゃあニュートラルでいたいというか、そこにいるだけという。
桜井日奈子さん:
ただの容器みたいというか(笑)。何かがすり減ると同時にプラスで積み重なってみたいな、あそこでちゃんと生きていたんだなという感覚と共に空っぽになって帰ってきますね。
マイソン:
とても充実しているんですね。逆に俳優さん以外の職業でこの職業はおもしろそうと思ったことありますか?
神尾楓珠さん:
僕はコロナ前に雑誌のお仕事でタイにスキューバダイビングの撮影に行ったんです。その時現地の方がインストラクターとして付いてくださったんですけど、「本当にセンスがある」とおっしゃってくれて、「お世辞ですよね?」って言ったら、「お世辞じゃない。もしその仕事で疲れたらタイにおいでよ」って言われたんです(笑)。
桜井日奈子さん:
それはマズい!!タイに行っちゃうよ(笑)。
神尾楓珠さん:
だからタイに行くのもアリかなって。もし本当にこの仕事で限界になったら、タイに行こうかなって。
桜井日奈子さん:
マネージャーさん気が気じゃないですね!
一同:
アハハハハ!
神尾楓珠さん:
すごく楽しそうなんですよ。現地の方達が皆本当に自由というか、何の縛りもなく、本当に幸せそうなんですよ。だからちょっと興味を持ちました。
マイソン:
じゃあ副職という選択肢もありですよね(笑)。
神尾楓珠さん:
副職でタイまで行って(笑)。
マイソン:
行ったり来たりするのも良さそうですよね。桜井さんはいかがですか?
桜井日奈子さん:
お仕事で海外に行けるタイミングとかだと、現地のコーディネーターさんはやっぱりカッコ良いなと思いますね。日本とその国とを繋ぐ架け橋みたいな、そういう夢のある仕事も良いなと思います。あと、ものをたくさん知っている人って魅力的じゃないですか。私の知らない世界をどれだけ見てきたんだろうって思うと、コーディネーターっていう職業はいろいろ見て、勉強しないとできない仕事だから、大変だと思うけどやってみたいなと思います。
マイソン:
元々海外にも興味があったんですか?
桜井日奈子さん:
そうですね。でも英語は全然話せません。誰かと話していて楽しいなって思うのは、その人がたくさんものを知っていたり、自分の知らないことを知っていたりする時で、そういう話を聞くと好きだってなっちゃうので、自分の世界を広げてくれるものとか人にすごく惹かれます。
マイソン:
じゃあこれからいろいろと。
桜井日奈子さん:
機会があればという感じですね。
マイソン:
では最後にこの質問はインタビューでいつも皆さんに聞いているのですが、今までで大きな影響を受けた映画とかドラマの作品か、俳優、監督などがいらっしゃれば教えてください。
神尾楓珠さん:
影響を受けたのとは少し違いますけど、1番好きなのは『おおかみこどもの雨と雪』ですね。細田守監督のアニメーション映画なんですけど、小さい時に観て号泣して、それからずっと好きなんです。大人になってからも観返して、メッセージ性がすごくあるなって。どういう状況でもその人次第で人は生きていけるし、でも1人で本当に生きていけるかって言われたら、周りの人の助けも必要ですっていうのがちゃんと描かれていて好きな映画です。
マイソン:
小さい時に観た印象と大きくなってから観た印象で変わったというか、理解が深まった部分はありますか?
神尾楓珠さん:
ありますね。小さい時はそういうのが全然わかりませんでしたし、ただ親子の別れが悲しくて泣いているだけだったので、今観るとまた違う感情で涙が出てきます。
マイソン:
なるほど〜。桜井さんはいかがですか?
桜井日奈子さん:
私は安藤サクラさんが主演の『百円の恋』という映画に衝撃を受けて、その作品をきっかけに安藤サクラさんが大好きになりました。それから安藤サクラさんが出演されている作品は全部観るようになったし、ゆくゆくは私も「桜井日奈子が出ているから観よう」って思ってもらえるような女優さんになりたいなって思えるきっかけになりました。
マイソン:
観たきっかけで演技というか、ご自身のお仕事のスタンスとかも変わってきましたか?
桜井日奈子さん:
役を生きるってこういうことなんだなって思いました。安藤サクラさんは、引きこもりの30代の女性からボクサーになるまでを作品の中で演じていらっしゃったんですけど、本当に別人なんですよね。役作りというか、何かを演じる上での姿勢みたいなものもすごく感じられましたし、私もそうなれたらなって思います。
マイソン:
今日はありがとうございました!
2020年11月17日取材 PHOTO&TEXT by Myson
Huluオリジナル『マイルノビッチ』
2021年2月12日よりHuluにて独占配信開始
原作:佐藤ざくり「マイルノビッチ」(集英社マーガレットコミックス刊)
出演:桜井⽇奈⼦/神尾楓珠/大友花恋/伊藤あさひ/阿久津仁愛/三浦涼介
キノコ頭に分厚い眼鏡をかけている木下まいるは「毒キノコ」というあだ名で呼ばれ、周囲からは距離を置かれていた。そんなある日、まいるは学校で男子に呼び出され嘘の告白に騙されて、落とし穴に落とされてしまう。だが、そこへ“神的メイク術”を持つ学校創立以来のイケメン、熊田天佑が現れ…。
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