“エコロジー”という言葉をよく耳にしますが、その意味を考えたことはありますか?エコロジーは、本来生物学の一分野である“生態学”を指す言葉ですが、現在では環境保護や環境浄化に対する言葉として用いられることが多くあり、つまり、人間も地球の生態系の一員であるという視点から、人間生活との調和、共存を目指す考え方のことを指します。そんなエコロジーの観点から、今回は私達が生きていく上で必要な食と環境の繋がりについて考えていきたいと思います。
食と環境の密接な繋がりを知ろう
私達の命の糧となる食は、地球環境問題とも密接に関係しています。食料の生産から流通、消費まで私達が生きていくことは、あらゆる意味で地球環境に負荷を与えていることは常に認識し、高い意識を持つことが大切です。
農林水産業による食料生産は、ただ自然に依存しているのではなく、国土や水の保持、大気や水の浄化、農閑期の農地を利用したレクリエーション空間の提供など、環境保護に役立つ機能も果たしてきました。しかし、生産技術の変化や経営形態の変化によって自然環境に負荷を与えるケースも出てきています。例えば、化学肥料の多用による窒素やリンなどによる水質汚染、農薬の使用による薬害や汚染、畜産経営の拡大に伴って農地に還元されない尿が増え、水質を汚染するなどがあります。これらは環境保全の面から見て、早期の改善が求められています。
原油の高騰が食費にも影響
食料生産から消費までに使われるエネルギーの問題も無視できません。広大な耕地を使って効率の良い生産をするには、それぞれの作物に合った農業用の機械が必要になります。また、現在は旬に関係なく食材を通年手に入れられますが、それはハウスや温室で加温をしたり、夜に照明を使用することで日照時間を調節するなど、石油などのエネルギーを使って人工的に環境を変えることで、いつでも収穫や出荷をできるようにしているからです。また、農産物を貯蔵したり、出荷先へ油症するのにもガソリンや軽油などのエネルギーが使用されていますし、加工食品の製造や飲食店での調理にもガスや電気などのエネルギーが大量に消費されています。さらに、食品パッケージのフィルムやプラスチック容器にも石油が使用されているので、原油価格が高騰すると、食料生産から供給までのすべての工程に影響が出てしまい、食料品の値上げにも繋がることとなります。
上記のように食と環境には密接な繋がりがあり、負荷を与え過ぎてしまうことが環境問題の原因になっています。国や企業が働きかけていくことも必要ですが、消費者である私達も目の前の食材が食卓にたどり着くまでにどんな経緯を経ているのか、どんな環境負荷を与えているのかを考え、まずは知ることが大切だと思います。次回は今回の続編として、具体的な取り組みや身近で私達にできることも紹介します。
<参考・引用資料>
三ッ井清貴「服部幸應の食育インストラクター養成講座 テキスト5」(がくぶん)
農林水産省Webサイト
本内容は、上記で語られている内容を一部引用しまとめたものです。
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ひょんなことがきっかけで、大都会ロサンゼルスでの生活から一転、大農場作りにチャレンジすることになったジョンとモリー夫妻の8年間を追ったドキュメンタリー。2人はあらゆる植物と動物が生息する小生態系を農場に作ることで、本当に健康な食材を育てようと奔走する。
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ジョンとモリー夫妻が植物や動物と共存する様子に驚くと共に、食と自然環境の繋がりも感じられる作品です。本当に健全な食べ物がどんなものか考えるきっかけにもなります。
『世界が食べられなくなる日』
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“遺伝子組み換え”と共に“原子力エネルギー”にも注目するドキュメンタリー。2つのテクノロジーの共通点は、後戻りができないくらい世界中に拡散していることと、体内に蓄積されやすいこと。カメラは東日本大震災直後の福島に入り、またアグロエコロジーを実践するセネガルの農業学校の取り組みを追う。
★食の注目POINT!!
遺伝子組み換えや原子力エネルギーの危険性を知ることができるのはもちろん、農薬や除草剤についても理解が深まります。日々当たり前のように食べている食材が本当に安全なものなのか、自分の食材選びを見直すきっかけにもなると思います。
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TEXT by Shamy(NPO日本食育インストラクターPrimary)