皆さんは食事をする理由について考えたことがありますか?私達が食事をすることの1番の理由は、生きていくために欠かすことのできないエネルギーと栄養を補給するためですが、実はそれだけではない大切な理由があります。
食事は人と人とのコミュニケーションを深める場
人間は、自分でエネルギーを生産することができないため、食事を摂ることでエネルギーと栄養を補給しています。私達が生きていくために必要なエネルギーは糖質、たんぱく質、脂質、そして、生理機能を調節するために必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素も食べ物から摂取することが必要です。つまり、食事は生命維持のため、子ども達が成長していくために、必要不可欠なものなのです。
では、生きるために必要な栄養分の含まれた食事をただ摂取していれば良いのでしょうか?そんなことはありません。私達は空腹を感じると食事をし、食べることで食欲が満たされます。ですが、1人で黙々と食べるのと親しい人と一緒に食べるのとでは、同じ食事でも得られる満足感が大きく異なります。家族や友人と食事をすると、とても楽しく、心が和み、食欲も増します。食事は、家族団欒をはじめ、人と人とのコミュニケーションを深める場であり、人を幸せにする場としての役割も果たしていると言えます。また、同じ食事内容でも「おいしい」と感じながら味わうことで、栄養の吸収率が変わることもわかっています。人間は、「おいしい」と感じることで脳が刺激され、胃酸や消化酵素などが分泌され、栄養を効率的に吸収するための態勢ができあがります。つまり、誰かと楽しく食事をすることで、栄養の吸収力が高まり、ストレスも解消、さらに精神的安定感や充実感も得られるという良いことずくしなのです!

子どもは食卓で食文化やマナーを学ぶ
近年、核家族化やライフスタイルの多様化により、家族が揃って食事をする機会が減り、食生活も多様化しています。1人で食事をする“孤食”や、同じ食卓に集まっていても、家族がそれぞれ別々のものを食べる“個食”が増え、家族揃って生活リズムを共有することが難しくなっています。しかし、家族で一緒に食事をすることは、子ども達の人格を養う大切な時間でもあります。食前食後の挨拶はもちろん、箸の上げ下ろし、食器の持ち方、食べる時の姿勢、食べ物を口に入れたまま喋らない、不快な音を立てない、食べ物を口に入れたまま喋らない、不快な音を立てない、好き嫌いをしない、出されたものを残さず食べるなどのマナーや、食べ物に感謝する心、食べ物を大切にする心を育むことができます。また、それ以外にもさまざまな食材や調理法を通して、日本の食習慣や食文化についても学ぶことができ、日常の食事の場が大切な子育ての場にもなっているのです。
食事の回数は、1日3回で年間1095回にもなります。このチャンスを逃すことなく、最低朝晩の2回は家族でゆっくりと食事をする時間を持つことが理想です。子どもの心身の発達に重要な3〜8歳の間は特に重要で、健全な人間性を育成するためにもなるべく家族で食卓を囲むことを目指しましょう。

上記で挙げた内容から、誰かと一緒に食事をすることは、心身の健康を向上させたり、子どものしつけにもなることが理解できたと思います。その他の食事をする理由として、“病気にならないために適正な食事を摂ること”も挙げられますが、こちらはまた別の機会に詳しく紹介したいと思います。今はコロナ禍で大勢が集まって食事を摂ることは難しいですが、家族やたまに会う友人との食事機会などを大切にして、ぜひ楽しい食事をするように心掛けてみてください!
<参考・引用資料>
三ッ井清貴「服部幸應の食育インストラクター養成講座 テキスト4」(がくぶん)
農林水産省Webサイト
本内容は、上記で語られている内容を一部引用しまとめたものです。
食にまつわる映画をチェック!
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REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
片田舎で小さなレストランを営んでいたオルタンス・ラボリはスカウトされ、フランス大統領官邸のプライベートキッチンを任されることに。規律で縛られた官邸内は何をするにも窮屈で、同僚の官邸料理人たちは彼女を疎ましく思っている。そんななかめげずに大統領が満足する料理を作ることに専念する彼女の仕事ぶりはやがて認められてくるのだが…。
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大統領の日々の料理についてメインで描かれていて、料理を通じて築かれていく大統領との絆や、主人公の料理に対するポリシーが見えてきます。
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北海道せたな町で暮らす亘理は、大好きな家族と仲間達と共に幸せに暮らしていた。そこに、東京からやってきた若者や、札幌の天才シェフも仲間に加わり、亘理はあることを思いつく。それは、せたな町のおいしいものをもっとたくさんの人に届けるため1日限定のレストランを開くことだった…。
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せたな町のおいしいものはもちろん、時が経てば経つほど深まっていく人間関係にも注目!人は決して1人では生きられないことも見えてきます。
Les Saveurs du Palais ©2012 –Armoda Films- Vendome Production –Wild Bunch – France 2 Cinema
TEXT by Shamy(NPO日本食育インストラクターPrimary)