15年間一緒に暮らす事実婚カップルにだって、何があるかわからない!本作に登場するアニー(ローズ・バーン)とダンカン(クリス・オダウド)は一見平穏に暮らすカップル。でも、ダンカンは消えた天才ロック・シンガー、タッカー・クロウ(イーサン・ホーク)に夢中で、ファン同士で交流するばかり。そんなダンカンに不満を持つアニーはある鬱憤晴らしをしたのをきっかけに、なんとタッカー・クロウ本人と知り合うことになります。そこから奇妙な三角関係が始まるのですが、彼らを観ていると、交際期間では比較できないものがあると思えてきます。そして、何が恋愛の弊害になるかって、見た目ではわかりません。一見こっちはややこしい、こっちはシンプルと思っても、そうでもなかったり、結局は人間の根っこの部分の相性が問題なのかなと感じます。やっぱり恋愛も惰性でやってたんじゃ幸せにはなれないってことかも知れませんね。
そんなストーリーが魅力的な本作ですが、原作は『ぼくのプレミアライフ』『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』の原作者としても知られるニック・ホーンビィ。彼は『17 歳の肖像』『わたしに合うまでの1600キロ』『ブルックリン』の脚本も手掛けています。これらの作品から何となく作風をイメージ出来る人もいると思いますが、期待を裏切らない作品になっています。メインキャストの3人も良い味を出してますよ。
本作のアニーとダンカンは結婚はしていないものの、2人の幸せを優先し子どもは作らないと決めて15年間も一緒に住んでいるベテランカップル。30代半ばでこれだけ長年恋人と一緒に住んでいたら、もうそれは一生寄り添うことになるだろうと思いますよね。でもそんな2人に劇的な出来事が起こるというお話なので、同じような境遇のカップルが観るとかなり複雑な心境になると思います(笑)。これは今の恋愛を考えるきっかけになるかも知れないので、1人で観るか、友達と観るのが無難なのではないでしょうか。
大人のラブストーリーなので、いろいろ恋愛を経験してから観たほうが楽しめます。高校生くらいになれば一生続くかも知れない恋愛を見つける人も出てきそうなので、未来の恋愛をイメージするいち参考に観てみると良いかも知れません。ただ考え過ぎず、今は自由な気持ちで恋愛に向き合える時期を楽しんでください(笑)。
『15年後のラブソング』
2020年6月12日より全国公開
アルバトロス・フィルム
公式サイト
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TEXT by Myson