これまで“デブゴン”といえばサモ・ハン(サモ・ハン・キンポー)で、ぽっちゃりで機敏で最強な役といえば彼しかできないと思っていましたが、今作はドニー・イェンが特殊メイクでデブゴン役に挑戦。物語の最初はいつも見ているのと同じドニー・イェンの姿で主人公を演じているので、どういういきさつでデブゴンになっていくのかと思いきや、至ってシンプルな理由で太っていくのでとても親近感が湧きます(笑)。また、今作は熱血刑事のフクロン(ドニー・イェン)がある任務で日本へやってくるというストーリーで、新宿歌舞伎町や築地市場でデブゴンが大暴れしたり、これまでもアクション監督として数々の国内外の作品を手掛けてきた谷垣健治が監督を務め、竹中直人や渡辺哲、バービーなど日本人キャストも登場して、日本のスパイスがたくさん入った作品となっています。中でも竹中直人はこの作風にフィット感が抜群で、香港映画に決まって出てくる可笑しなキャラクターのような存在感を発揮しています。
とにかくドニー・イェンと谷垣健治監督がタッグを組んだ作品が日本を舞台にして作られるとは、それだけでテンションが上がっちゃいますよね。もう正直物語はどうでも良くて(笑)、ドニー・イェンのアクションがめちゃめちゃカッコ良いだけで大満足です。ぽっちゃり特殊メイクでもあれだけ動けるとは、本当に天才!「なんで下だけジャージやねん!」とか「なんでそんなところにヌンチャクあるねん!」とか心の中でツッコミを入れながら、ぜひいろいろなアクションをご堪能ください。
意外にもラブロマンス多めで、コミカルかつロマンチックでもあるので、デートにもピッタリです。フクロンが刑事ということで、いつも身を案じる恋人の気持ちにも共感できて、2人の関係がどうなるのかを見守りつつ、自分だったらどうするかと想像もできます。アクションもすごく爽快なので気楽に観るのもアリですよ。
ドニー・イェンが演じる主人公のフクロンはもちろん、武術に長けたキッズもすごくカッコ良くて、観ている間も観終わった後も爽快感が味わえて、テンションが上がります。本作を観てカンフー映画の虜になるはず人もいるはずなので、ハマったらぜひ他のカンフー映画もいろいろ観てください。サモ・ハン主演の元祖“燃えよデブゴン”シリーズもオススメです。難しいことを考えずに観られるので、小学生でも興味があれば観てみてください。
『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』
2021年1月1日より全国公開
ツイン
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TEXT by Myson