数々の心霊番組やオカルト番組で活躍した有名な霊能力者も入るのを拒否したと言われる北陸随一の実在する心霊スポット、坪野鉱泉(富山県)。この廃墟で撮影された“恐怖の村”シリーズ第3弾『牛首村』で、物語のきっかけとなる重要なシーンに登場する女子高生ミツキを演じた莉子さんにインタビューをさせていただきました。ホラーは元々苦手だという莉子さんはどんな思いで本作に挑んだのか、また俳優のお仕事についてはどんな思いがあるのかお聞きしました。
※“恐怖の村”シリーズ:『犬鳴村』『樹海村』『牛首村』のことを指す。すべて清水崇が監督を務めている。
<PROFILE>
莉子(りこ):ミツキ 役
2002年12月4日生まれ。神奈川県出身。雑誌「Popteen」の専属モデルとして活躍し、2021年に卒業。リコリコの愛称で慕われ、“SNS総フォロワー数250万人超え”“女子高生が選ぶ好きなインフルエンサーランキング2年連続1位”(2020年&2021年/マイナビティーンズラボ調べ)などティーンに絶大な人気を誇る。2020年、『小説の神様 君としか描けない物語』で長編映画初出演を果たす。2021年、ドラマ『ブラックシンデレラ』では主演を飾り、『スイートリベンジ』にも出演。2022年は映画『牛首村』『君が落とした青空』と出演作の公開が続く。
※前半は合同インタビュー、後半は独占インタビューです。
あの廃墟はいかにも不気味で本当に怖い
記者A:
出演の話があった時、どう感じましたか?
莉子さん:
私はホラーがすごく苦手で今回の試写が初ホラーだったんです。ホラー作品を観るということをしてこなかったので、「そんな私が出て良いものだろうか?」ということと、村シリーズは有名でホラーを観ない私でも知っていたので、その有名な作品に出させていただけるありがたさというか、すごく嬉しいなと思いながらも不安もあっていろいろな気持ちになりました。
記者A:
脚本を読んでいるだけでもドキドキしましたか?
莉子さん:
本当に苦手なので台本を読んだだけでも結構怖くて、読み終わった後も「読んだ〜」っていう達成感みたいなものがありました。これが映像になったらもっと怖いんだろうなって思いました。
マイソン:
舞台となっている廃墟が見るからに怖かったです。現場だと一層ゾクゾクしたんじゃないでしょうか?
莉子さん:
ゾクゾクしました。あの廃墟が本当にポツンとあるんですよ。いかにも不気味で本当に怖くて、特に私は怖がりなので事前に調べたりして、それで余計に怖くなってしまったんです(苦笑)。普段はなかなか中に入ることができないと思うので、すごく貴重なことをさせてもらっていると思うと同時に怖かったですね。夜は普通に真っ暗ですし、その中に落書きがあったり、特にエレベーターは結構不気味だったので怖かったです。
マイソン:
その中でも清水監督は、「いつものことです」っていう感じでしたか?
莉子さん:
逆にビビらせてきたりするんですよ!本当に清水監督はすごいなと思いました。
マイソン:
私はホラーをよく観るのですが、清水監督のホラーって恐怖と笑いが紙一重みたいなところがあると思います。そういう清水監督らしいエピソードはありますか?
莉子さん:
監督って冗談なのか本気なのかわからないトーンで淡々と喋るんですよ。「そういえばここ、この前(霊が)出たよ」とか言って、私は大谷凜香ちゃん(アキナ役)と一緒に「え?!」って。でも、凜香ちゃんは結構慣れているから「絶対に嘘でしょ」となるんですけど、私はわからないから「本当ですか?」って(笑)。監督は空き時間はずっとそういう風に現場を盛り上げてくださったので、それも含めて清水監督のスタイルだなと感じました。
マイソン:
劇中である意味アクロバティックなシーンがありましたが、本編で観てどうでしたか?
莉子さん:
あのシーンは実際に全部自分でやったんです。ワイヤーを付けて引きずりあげられて…という感じだったんですけど、あそこも監督からいろいろと指導をいただきました。あそこまでのアクションは初めてだったので、本当にすごく良い経験をさせてもらったなと思います。あんなに過酷なシーンですけど、実際は楽しくて映像化したら良い具合にCGとの融合がすごかったので、こんな風になるんだと感動してしまいました。でも映像として観ると怖かったですね。
マイソン:
ご自身が演じているからといってそのシーンは観ても怖くないということにはならないんですね?
莉子さん:
ないです、ないです。しっかり怖かったです。
マイソン:
“恐怖の村”シリーズも含め邦画ホラーは10代や若い方が結構観ていて、人気がある印象です。普段はホラーを観ない莉子さんから見て、同世代の方々が邦画ホラーを好きな理由って何だと思いますか?
莉子さん:
何だろう…。ずっとドキドキできる感じじゃないですかね。私は1回だけお化け屋敷に入ったことがあって、その時の感覚とこの作品を観た時の感覚って本当に似ていたんですよ。いつ何が起こるのかわからない、台本を読んでいる私でさえその感覚があったので、初めて観ていただく皆さんはもっとドキドキできるんじゃないかと思います。劇中でしっかり怖いポイントがあって、それ以外でも監督の遊び心なのか、ビクッとさせられる仕掛けがあって。私もそこでビクッとなったので、そういう清水監督のホラーならではの部分も楽しんでいただけたらと思います。
マイソン:
では今回ホラーに出演する側になったことで、ホラーの見方が変わったり、少しハードルが下がったということはありましたか?
莉子さん:
1発目が清水組だったのであまりないんですけど、撮影裏は監督も含めて皆さん冗談を言ったりする余裕があるんだなと思いました。人間味というのもおかしいですけど、そういうものを感じてちょっとホッとしました。でも、実際に試写でその映像を観てしまったら怖くて仕方なかったです。怖くなくなったというわけではないですけど、これからチャレンジしてみようかなという気持ちにはなりました。
映画を観終わってからの感想を1人で留めておくのが好き
マイソン:
モデルのお仕事をされる時やSNSに投稿をする時にはご自身で衣装を選んだり、ご自身でご自身をプロデュースするという感覚もあると思います。一方俳優としては監督に演出されるという違いがあると思いますが、それぞれおもしろみや難しさはどんなところにありますか?
莉子さん:
モデルも最初はポージングが難しかったんですけど、モデルはずっとやってきたお仕事なので、今は結構慣れてきた部分が大きいです。でも俳優は最近始めたばかりなので、最初は本当にわからないことだらけでした。最初はセリフを覚えることも大変だったし、そもそも同じシーンを何回も撮ることも知らなかったし、そういう知識ゼロの状態だったから何もかもが難しかったです。でも、今はだんだんと慣れてきて現場も楽しめるようになってきたかなと思います。
マイソン:
SNSのフォロワーもすごく多くて、インフルエンサーさんとして若い方に影響がある立場にいらっしゃると思うのですが、普段投稿する時にこだわっている部分はありますか?
莉子さん:
私は結構SNSを使い分けています。インスタグラムだったらお仕事とかしっかり決めていることをこうするという風にしていて、ツイッターは全然何気ない、それこそインスタのストーリーとかに上げられるようなプライベート感がたくさんある写真を上げるようにしています。TikTokは日常感というか、それこそ流行っている音源とかを踊ってみるとか、そういうコンテンツに当てているので、SNSを使い分けるというのは意識しています。
マイソン:
それは感覚的にやっていたら自然にそうなったという感じですか?
莉子さん:
感覚ですね。やっていくうちにこうやって使ったほうが、ファンの方達もどのSNSでも同じものを見ているっていう風に思わないかなと思って。それぞれのSNSにファンの方がいてくださるので、それぞれで楽しんでいただけるように頑張っています。
マイソン:
今お話をお伺いしていると、莉子さんご自身が何か作り出したり、演出したりプロデュースするのがすごく得意なのかなと思いました。
莉子さん:
元々Popteenという雑誌のお仕事をしていた時に、結構自己プロデュース力みたいなものをすごく育ててくださったので、それは大きいかもしれません。
マイソン:
なるほど〜。今後そういう力を活かしてやりたいことはありますか?
莉子さん:
今年自分で香水とかハンドクリームのブランドを立ち上げて、そういうプロデュース系は何をやっても楽しいので、積極的にやっていきたいなと思っています。あとはデザインとか、衣装を自分で決めたり、そういうのもやってみたいです。
マイソン:
では映画全般的なお話になるのですが、今10代の方って物心が付いた時から配信もあって、すごく身近だと思います。そんななか、今19歳の莉子さんご自身は映画をどんな環境で観るのが1番好きですか?
莉子さん:
今はコロナ禍でなかなか行けませんが、映画館に行くのがすごく好きなので、オフの日に観たい作品があったら1人で映画館に行っています。
マイソン:
1人で観に行くのがお好きなんですか?
莉子さん:
そうですね。本当に数年前までは友達と行くのが楽しいみたいなのがあったんですけど、最近は終わってからの感想を1人で留めておくのが好きなんですよね。でも、『牛首村』は大人数で行くことをオススメします(笑)。1人だと怖いので(笑)。
マイソン:
ハハハハハ!そうですね。怖さを1人で溜めて家に持って帰りたくないですよね。
莉子さん:
たぶん怖くて震えてしまいます(笑)。
マイソン:
確かに(笑)。人と共有したい映画と自分だけで味わいたい映画で大きな違いはありますか?
莉子さん:
やっぱりホラーとか怖い系だと私は友達と行かないと、ただ単に怖がりなので。でも感動系の作品は泣いちゃったりするので、友達と行くより1人で行って号泣するほうがすっきりします。あとはお母さんと行くこともあります。
マイソン:
結構小さい頃から映画をご覧になっているんですか?
莉子さん:
そうですね。小さい頃は“プリキュア”とか、お父さんと観に行っていましたね。映画館に行く機会はあったほうだと思います。
マイソン:
自ら観ようと思ったきっかけになった作品はありますか?
莉子さん:
最近だといろいろな現場に入らせていただくことがあって、その度に新しい役者さんとの出会いがあって仲良くさせてもらっているので、共演者の方が出ている作品は観たいなと自然に思います。あとは内容がおもしろそうだなと思ったら観に行きます。
マイソン:
役者さん同士って刺激し合う感じなんですか?
莉子さん:
それは大きいかもしれないですね。モデルの時はそんなに感じなかったのですが、俳優をやるようになってからは作品が1番残るものなので頑張らないといけないなとなります。そこはモデルと演技の世界って結構違うんだなと感じました。
マイソン:
では最後の質問で、これまでにいち観客として大きな影響を受けた映画、もしくは俳優、監督がいらっしゃったら教えてください。
莉子さん:
『何者』です。劇場公開されてから時間が経って、私が大学生になるタイミングで配信で観たんです。すごくおもしろくて、逆にもっと若い時に観ていたら内容がわからなかったんだろうなって。大学というある意味1つの社会に入るタイミングで観た映画で良かったなと思いました。
マイソン:
本日はありがとうございました!
2021年12月7日取材 PHOTO&TEXT by Myson
『牛首村』
2022年2月18日より全国公開
監督・共同脚本:清水崇
出演:Kōki,/萩原利久/高橋文哉/芋生悠/大谷凜香/莉子/松尾諭/堀内敬子/田中直樹/麿赤兒
配給:東映
心霊スポットの坪野鉱泉で動画を撮影していた3人の女子高生のうち、1人がその場で姿を消した。その動画は瞬く間に話題となり、奏音(Kōki,)も目にすることになる。するとそこには自分そっくりの女の子が映っていて…。
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
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