TOP > 部活コーナーTOP > 通常部活リポート一覧 > HERE
『うつヌケ』
2018年9月29日よりHuluにて配信中
公式サイト Huluサイト 作品詳細
“うつ”について、皆さんはどんなイメージがありますか?本作は、漫画家の田中圭一が自身の実体験をもとに、うつ病からの脱出に成功した人々を描いたコミック「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」(KADOKAWA刊)を原作に、オリジナルストーリーでドラマ化。うつにどんな風に向き合ったら良いのか、うつってどういう状態をさすのかなどを知ることができる、“うつヌケ”成功体験をレポートするハウツードラマです。今回は皆さんに本編全6話をご覧頂き、本作にまつわるアンケートに回答頂きました。
※本部活では関係者の方と部員が一緒に鑑賞。
アンケート回答人数 13名
■うつについて知ることができて良かった。身近にあるものでふとしたきっかけで発病することもあるということがわかった。(20代後半)
■マンガの内容を膨らませるのかと思ったら、オリジナルエピソードばかりで、理解が深まりました。映像になることでよりリアルに感じ、実感として伝わってきました。(20代後半)
■とても共感した。カネコの発言に最初はイライラしたが、うつ病ではない世間の言葉であり、カネコはその代弁者なのだと思うと納得した。(30代後半)
■家族やパートナー、友人にとっても、わかりやすいと思います。ここで描かれているのは一部のうつ病についてですが、知らないorどう対応したらいいのかわからない人が「ああ、こういうことか!」と悟れると思います。(40代後半)
■キャスティングが良いと思いました。うつ病は誰にでも起こり得る現代病になったなと痛感しました。(50代)
■オープニングは、コミック的な感じに思ったのですが、観始めてからは引き込まれました。本気さを感じ、暗いだけでないドラマだったのが良かったです。(60代)
本作を観て今まで知らなかった“うつ”の実態を知ることができた方が多かったようですね。“うつ”という言葉は知っていても、実際にどんなことをきっかけになる病気なのか、自分とは無関係だと思っている方も多いのでは?ぜひ本作をご覧頂き、知識を深めて頂ければと思います。
■自分自身うつの経験がありますが、否定的に捉えてしまうことをやめられませんでした。うつの人同士で交流することはありませんでしたが、人のケースを知るというのは本当に良かったです。客観視できますね。(30代前半)
■私自身、大事故で高次脳機能障害を負い、事故に遭うまで簡単にできたことができなくなり、同時進行で考えたり、行動を起こすことができず、自分へのイライラでうつになった時期があります。参加している同障害者の会でももっと重度な人がいて、マイナスになったり逆にプラスになり過ぎないよう、互いにサポートすることでうつが改善しつつあります。(40代後半)
■娘がうつと診断されました。うつから抜けた人がいると知って、本作に興味がありました。周りの人はどんな風に接したら良いのかヒントをもらえると嬉しいと思っていましたが、どこかで自分にも原因があったのかも知れないと思いました。でもラストまで観て、いろんなきっかけでうつになることがあり、それは人それぞれ原因が特定できないことを知り、私自身気持ちが楽になりました。(40代後半)
■義理の妹が3年ほどうつで入退院を繰り返していました。現在はだいぶ落ち着いて、普段通りに近い生活を送っていますが、やはり初めは些細なことから始まったようです。医者によると、認知症に近いところがあり、脳の一部分が働かなくなるとのことでした。何が原因でうつになるのか、何のきっかけで回復に向かうのかよくわからず、自分が好きなものに興味がなくなる上、回復に近づいても以前のようには戻らないようです。(60代)
皆さんの貴重な体験談をありがとうございます。うつは本当に誰でもなり得るということをますます実感しました。日常でいろいろなことを頑張ることはとても大切なことですが、そんな中でもきちんと自分の心の声に耳を傾け、時には休んだり、立ち止まることも大切なのかなと思いました。本作では、主人公でうつ経験者の田中と、うつに無縁のカネコが登場し、さまざまなうつの事例がユーモアを交えながら描かれています。どう向き合うのが正解かは人それぞれという難しい病気ですが、本作を観るときっと以前よりもうつを身近に感じることができると思います。これを機にぜひご自身や周囲の人の心について考えるきっかけにしてみてください。
本作をご覧になった方から監督へ感想&質問がありました。
Aさん:たくさんのうつヌケエピソードがあったと思いますが、どのように選んだのでしょうか?
監督:プロデューサーと一緒に全体のバランスをみて、お話を聞いていくなかで、決めていきました。特に3話は、あれだけドラマチックなんですが、あんまり脚色をしていなくて、わりとそのままです。4話の“リワーク”については実際に取材したり見学させてもらったりした上で、その「枠」の中にリワーク以外で取材したいろいろな方のエピソードをあてはめています。あとは男女、年齢、ジャンルで決めていきました。僕の中で、1話は雛形を提示する、2話は母の愛、3話はスポ根で、力業でうつから抜けるっていう極端な例というように、いろいろな語り口から描くことでバランスを取っているという感じです。思い入れはどれもすごくあるのですが、個人的には4話が好きです。 “おっさんスタンド・バイ・ミー”という感じで、おっさんが可愛く見えたら良いなと思いました。5話と6話は一種の「陰と陽」としてかなり遊ばせてもらいました。
Bさん:シンプルだけど複雑なうつについてのストーリーで、とても良かったです。構成や音楽、キャストへのこだわりがあったと思うのですが、監督にとって本作の一番の見どころはどんなところですか?
監督:このシーンでとかこの人がというより、全体を通して混乱させたいなという思いがありました。このドラマのためにいろいろな方に取材をさせて頂いたのですが、僕が非当事者というところで、どこか知らない世界を見ているという好奇な目があるなと思ったんです。1話を観て「うつってこういうものなのかな」ってわかった気になったら、2話でそれがわからなくなる。2話を観終えて、「1話と合わせるとこんな感じかな?」と、人間なので答えを出そうとすると、3話でまたわからなくなるっていうように、全話観て「わからなかったわ」ってなる、心地良い混沌を感じて欲しいと思いました。だから1話完結ではあるんですけど、全話を通じてそういう気持ちになって欲しいという思いがあります。
それぞれのエピソードが1話完結になっている本作ですが、監督がおっしゃるようにぜひ全話をご覧頂きいろいろな事例を知って欲しいと思います。きっとどこか自分にあてはまる部分があって共感したり、いろいろな受け取り方ができると思います。
『うつヌケ』
2018年9月29日よりHuluにて配信中
監督:畔柳恵輔(くろやなぎ けいすけ)
出演:田中直樹/大後寿々花
Hulu
公式サイト Huluサイト
累計発行部数34万部超えを記録した田中圭一の原作コミックを、オリジナルストーリーで構成。サラリーマン、専業主婦、フリーターなど、うつヌケを体験した当事者達のうつヌケエピソードを綴っている。
©2018「うつヌケ」製作委員会
2018.10.4 event