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映画で学ぶお金のこと
リーマン・ショック、ギリシャ破綻、そして世界各国で起きる大きな震災…。地球規模であらゆる困難に立たされた私たちが、自分でできることは何なのか?女子がお嫁にいくことで、男子の経済力に頼って生きていく時代はとっくに終わっています。女子も自分でお金のことを少しでも考えておくべき。とはいえ、ちょっとハードルが高いと思ってしまう「お金のこと」。そこで、映画好き女子が取っかかり易いように、ここではDVDや映画で、お金の話に触れていきます。
知らないとやばい!? この時代、女子も知っておきたい、世の中の仕組み、経済、お金のこと
『ヤバい経済学』
2011年11月25日リリース
2010・米・93分(ほか特典40分)
監督:モーガン・スパーロック/アレックス・ギブニー/
ユージン・ジャレキ/ハイディ・ユーイング&レイチェル・グレイディ
出演:スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー
¥3,990(税込)
©2010 Feakonomics Movie, LLC
世の中、思い込みって多いのかも。この理論を知ると社会を違った角度で見られる!
“インセンティブ”によって、人はどう動くのかを知るために、小さい子どものトイレのしつけにちゃんと行けたらチョコレートをあげるという方法は有効か、成績が上がったらお金をあげるということである高校の成績を上げられるか等の実験を施し、世の中のいろいろな物事、日常的なことを“インセンティブ」”という概念、経済的視点で解説。人の行動はほとんどすべてインセンティブによって引き起こされ、行動を決定づける要因さえ理解すれば人の行動は予測可能という理論です。ただし、そのインセンティブの内容が有効かどうかを見極めるのが大事ということも述べています。
そして、“インセンティブ”が有効に働いても、不正になる場合があることなども、日本の大相撲の世界で問題となった八百長を例えに説明したり、かなりセンセーショナルな内容も描かれています。
単純にお金の話というわけではなく、いろいろな要因や環境があいまって、人の幸せが形成されるということを理解する上で、とてもおもしろく、参考になる理論です。
エピソード例
■不動産業者にとってのインセンティブ=不動産業者が自分の家は高値になるまでなかなか売らないのに、他人の家ならすぐ売ってしまうのはなぜ?
■名前は人の人生にどこまで影響しているのか?1人は“ルーザー(負け犬) “、もう1人は”ウィナー(勝ち馬)“と名づけられた双子が送った人生とは?
■大相撲の“八百長”をデータで証明!?2010年、日本を大きく揺るがした八百長騒動は、統計学的データ分析によって、原作者たちにはバレていた?
■インセンティブは高校生の成績アップに有効か?勉強嫌いの高校生に、成績が上がれば毎月50ドルのご褒美を与えるという危ない実験を実行!
ほか、日常的な物事に経済学を落とし込んで、人の行動や考え方の傾向を読み解く。
ヤバい経済学 [DVD]
経済・企業と個人にまつわるお話
『キャピタリズム〜マネーは踊る』
2008年、リーマン・ブラザーズが経営破綻したのを機に、世界は100年に一度と言われるほどの金融危機に陥った。その要因の1つとされているサブプライムローンの裏に隠された一部の人間の欲を満たすためのシステム…。サブプライムローンの不履行により、住宅市場が大暴落、企業の倒産も続発し、家や職を失う人々が大増加。一方で、金融危機を引き起こした投資銀行や保険会社は公的資金(税金)で救われ、役員は1億円以上のボーナスを手にしているという事実。ウォール街で何が起き、人々のお金はどう消えてしまったのかをマイケル・ムーア監督が突撃取材!
専門家が聞いても複雑で理解しづらいサブプライムローン。もともと煙に巻くつもりで考え出されたとしか思えないこのローンの仕組みについて、仕組みを理解するよりも、その背景で動いていることについて、私たちは知っておく必要があると感じました。 |
『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』
第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を受賞した本作。リーマンショックの裏に隠された真実というか、そのずっと前から腐っていたアメリカ金融業界の裏の歴史を暴いた内容に唖然としました。テレビドラマ『24』『プリズン・ブレイク』で描かれていたような世界=アメリカ政府のウラに隠れた闇の組織って本当にあるんだろうなと思ってしまいました。そう考えると、ここまで裏事情を公表するような映画を撮ったチャールズ・ファーガソン監督たちに拍手を贈りたいですね。
金融業界から政界をも操る人たちって金融政策に長けているわけではなく、政治家とか財力のある人のご機嫌を取るのが上手い人なんでしょうね。でもこういう状況ってアメリカだけの話じゃなくて、きっとどこの国でもそうなんじゃないかなと思うと、国民は自分で自分の身を守るしかないんだなと改めて実感しました。
こんなにあからさまに事態を映画化されても、この未曾有の経済危機を起こした張本人たちは開き直っている人ばっかりでこれまたびっくり。完全犯罪というか、国が絡んでいるから黙認しているとしか思えないですね。あ〜ばかばかしい。
で、映画自体はそういう裏事情と合わせて、バブル崩壊を招いたサブプライムローンの構造もわかりやすく説明あります。遠い世界で起こっていることではありません。自分の身を守るためにも世の中の金回りの仕組み、ローンや保険の構造なども勉強しておかねばですね。 |
『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』
売上高13兆円、全米第7位の巨大企業は、なぜ46日間で崩壊したのか?負債総額2兆円、失業者2万人、世界を震撼させた事件の全貌に迫る。2005年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート、2005年インディペンデント・スピリット・アワードドキュメンタリー賞を受賞した衝撃のドキュメンタリー。エンロンの元社員の証言、ビデオ映像や音声テープなどの内部資料によって、想像を絶するモラルのない企業精神が浮き彫りに。いち企業が政界や経済界を巻き込みながら急成長し崩壊するまでを描いています。 |
『ザ・コーポレーション』
2004年にサンダンス映画祭で上映され、観客賞を受賞したのを始め、2005年カナダ・アカデミー賞の最優秀ドキュメンタリーを含め全世界の映画祭で25個の賞を受賞し話題となった作品。カナダのマーク・アクバー、ジェニファー・アボットの共同監督により、ジョエル・ベイカンの『ザ・コーポレーション:わたしたちの社会は「企業」に支配されている』(早川書房)を原作として映画化された長篇ドキュメンタリー。株式会社の誕生から、政治システムを超えてグローバル化していく企業の正体を描き、企業を1人の個人として擬人化し、精神分析。完璧な“サイコパス(人格障害)”であると診断し、すべては利益のために動く企業のあらゆる症例を紹介。さらにマイケル・ムーア監督、ノーム・チョムスキーMIT教授を始めとする総勢40人の証言や発言を基に描かれています。 |
『幸せのきずな』
グレッグ・キニア主演。1960年代のデトロイトで起きた、間欠式ワイパーの発明者ロバート・カーンズが、フォード・モーター社を特許侵害で訴えたという実話をもとにした映画。
大学教授で6人の子どもを持つボブ・カーンズは、ある雨の日に、“ワイパー”の仕組みを思いつき、大手自動車メーカーに試作品を見せることに。メーカーの意に反して、ボブは自分が会社を立てて、自分でこの部品を生産したいと言ったため、契約は不履行に終わる。だが、後日街で見かけた車にはボブが考案したワイパーが使用されており…。人生を訴訟に費やし、家族も壊れていく様子がとても切なかったです。夢があり、アイデアもあり、幸せになる可能性が多くあるのに、相手が悪かったと思うしかないのか、切ないです。 |
『タッカー』
1945年、軍需工場を経営していたプレストン・タッカーは、新しい時代に向け新車の設計、開発を計画するも、フォード、GM、クライスラーという自動車大手BIG3が様々な横槍を入れてくる。ついにはタッカーは存在しない車を売ろうとしたとして詐欺容疑をかけられてしまう…。
大きな力が、個人の才能と可能性を潰してしまうという恐ろしい現実。自分たちの利益にならないものは邪魔だとしてひねり潰してしまうという企業概念がまかり通っているという問題は、いつの時代にも噂されることであり、ずっと昔から変わっていないと考えると悲しくなりますね。 |
『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』
全く、そんな映画だと思わないイメージですが、そもそも金融界の不正を暴く刑事たちを脇役(アザー・ガイズ)と例えて(刑事のなかで花形と言えば、殺人事件担当者という対比で)、その活躍を描いた物語なんです。なのでエンディングでは「こういう地道に捜査に励んでいる刑事もいるんです」というような語りで終わり、エンド・ロールではアメリカの大企業の汚職や金融業界の知的犯罪などの実データを数字で表示したり、見た目はおバカなコメディ映画でありながら、社会風刺的な要素を持っています。普通にコメディとしても観ながら、そういった経済的視点で観てみるのもおもしろい作品です。
映画批評
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『アンダーカバー・ボス 社長潜入捜査』
こちらは、『ユダヤ人大富豪の教え』の続編とされていますが、登場するキャラクターは複数のモデルを具現化し、お話もいろいろな方に教えてもらったことなどをもとに作られたストーリーのようです。1作目で輝ける未来しかなさそうに見えた主人公が意外にも日本に帰国したあとだらだらとした生活を送っておりどうなるのか…というところから始まります。主人公が人間味があり、ダメなところもある点がおもしろいと思います。
公式サイト |
映画で「男子の金銭感覚と、その相手と結ばれた場合の自分の将来」をイメージ
わかっていて付き合うのと、そうでないのとでは大違い。その男子にあなたの将来を委ねて大丈夫?早まった決断をする前に、映画で男子の金銭感覚や、お金があればひとまず幸せという問題なのかどうか、ちょっと観察、分析してみましょう。
『カンパニー・メン』
この映画の主人公を観て、ロバート・キヨサキの言う「中流階級」の典型だと思いました。見た目は裕福で、成功しているように見えるけれど、実はローンまみれになりながら自分をよく見せようとしていて、いわゆる「ガラクタ」を沢山持っているタイプのことです。景気が良いとき、自分の務める会社が安泰なあいだはそれでも良いでしょう。でも、現代ではどんな大手企業でも明日倒産するかも知れないし、自分もいつ職をなくすかわからない状況です。この主人公のボビーの会社がまさにそれ。社長は利益ばかりを追求し、リストラのため、今まで会社に尽くしてきた社員でも見境なく切っていきます。退職においやられたボビーは始めはすぐに転職できると贅沢をやめず、家計は圧迫されるばかり。子どもまで心配し出すという事態になっても、まだ自分のプライドを守ろうとゴルフクラブの会員すらやめようとしません。こっそり借金して、その場の支払いを終わらせてごまかして数日やりすごしてしまうのです。
でも、このタイプが大半なのだと思うし、ボビーのような男性は一流企業の部長ということで、男性としては好条件な人材と位置づけられそうですが、女子の皆さん、状況をわかっていて付き合うのと、見た目のリッチさという幻覚に無意識に惑わされながら付き合うのとでは大違いです。ちゃんとあらゆる角度から男性のお金との付き合い方の素質を見抜く力を養わないと、 大変な苦労を負いかねません。また、妻になって支えるときも夫任せではいけないし覚悟が必要です。その辺を客観視するには、この映画は参考になると思います。
©2010-JOHN WELLS PRODUCTIONS
映画批評
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『市民ケーン』
信じられないほど大きくて豪華な“城”を持つ大富豪ケーンの孤独な人生を描いた物語。彼と結婚した2番目の妻スーザンは歌手で、彼女のためにケーンはオペラ座を建てたり、豪華な生活をさせますが、彼女のセリフ「私が欲しいものは何一つもらっていない」という言葉がとても皮肉です。やっぱりお金だけでは、人間満たされないのか…。愛を求めても得られない、お金があったも愛を実感できなかった、ある意味不器用なケーン。彼も最後まで満たされない思いだったはず。 |
その他、ビジネス関連エンターテイメント
ビジネスをテーマにしたバラエティは、ちょっと勉強になって楽しいから一石二鳥。客観的な視点を得るために観ると有効です。
『アプレンティス セレブたちのビジネス・バトル』
不動産王ドナルド・トランプがホストを務め、セレブたちを集めてチャリティーのためにビジネス・バトルをさせるリアリティー・ショー。さまざまな業界のセレブが集められ、人集め、資金集めの手腕を競わせます。毎回テーマがあり、リーダーを1人決めて、勝利したチームのリーダーが支援しているチャリティー団体にそのときに集まったお金を寄付するという仕組み。逆に敗北したチームのなかから、敗因となったメンバーがクビにされます。キャラクターの濃いセレブが集まり、チーム毎に力を合わせてビジネス・バトルに勝たなければいけないので、内紛も多々勃発。プライドのぶつかり合いがとてもリアルで、ときにみっともないくらいに激しいです(笑)。醜態をさらすこともしばしばのこんな番組は、おそらく日本では成立しないと思いますが、主旨はチャリティーというところがうまいですね。ただの金儲けではなく、人のためというところが、「真の金持ちらしい考え方」だと思います。あと、ドナルド・トランプの娘イヴァンカが良い味出してます。
公式サイト |
今後も追加していく予定ですのでお楽しみに。
2011.11.16 TEXT by Myson