本作は、作家アンリ・シャリエールの壮絶な実体験を基にした、終身刑囚“パピヨン”の13年間にも及ぶ脱獄劇で、1973年に、スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが主演で一度映画化されました。本作では、スティーブ・マックイーンが演じたパピヨンをチャーリー・ハナムが演じ、ラミ・マレックがドガ役を演じています。まず、チャーリー・ハナムがむちゃくちゃカッコ良くて、肉体作りにおいては、マッチョ方向だけでなく、やせ細る方向でもかなり仕上げていて、その力の入れように脱帽。アクションシーンもふんだんにあり、全裸で闘っちゃうシーンは、マッチョ好きなら身体の隅々まで注視してしまうはず(笑)。とにかく、まさに精神も肉体もあますところなく演じきっていて、素晴らしいです。ラミ・マレックもチャーリーに劣らない名演で、ドガというキャラクターをとても魅力的に見せています。この2人の演技だけでも十分に見応えがあるのですが、パピヨンの恋人を演じているのは、U2のボーカル、ボノの娘イヴ・ヒューソンということで、彼女にも注目してください。
本作のストーリーは、アンリ・シャリエールの原作小説と、ハリウッドの赤狩りに反対したダルトン・トランボの脚本の両方を基にしていて、1973年版にはなかったパリでのエピソードも追加されています。囚人のシーンばかりではなく、このパリのシーンがとても美しく、アクセントになっていて、現代的な作品になっているので、ぜひ1973年版との比較も楽しんでもらえればと思います。
シーンの9割ほどは囚人としての苦悩が描かれていて、とても壮絶なストーリーですが、パピヨンと恋人のシーンはロマンチックで、実話であり、役者も良く、見応えがあるので、デートで観るのもありだと思います。ただ、観ていて辛くなるシーンがあるので、初デートには向きません。何度か一緒に映画を観たことがあるカップル向けです。
濡れ衣を着せられ終身刑になってしまったパピヨンが、自由を求めて何度も脱獄するストーリーで、13年間もめげずに頭脳も肉体も駆使して闘う姿に勇気をもらえます。精神的にも肉体的にも追いやられていくシーンもとてもリアルで、こんなになっても負けないなんて本当にスゴいと伝わってきますが、実話を基にしているということも念頭に入れて観ると、より感情移入できると思います。内容的には中学生以上の人向けかなと思います。
『パピヨン』
2019年6月21日より全国公開
トランスフォーマー
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TEXT by Myson