REVIEW

かがみの孤城【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『かがみの孤城』

『ツナグ』『太陽の坐る場所』『朝が来る』『ハケンアニメ!』など、これまでも数々の小説が映画化されている作家、辻村深月。本作は2017年に出版され2018年に本屋大賞を史上最多得票数で受賞した「かがみの孤城」が原作となっています。主人公は中学1年生のこころ。こころはあることをきっかけに不登校になっています。学校に行けずに家に1人でいたこころは、部屋の鏡が不自然に光っているのを目にして、“かがみの世界”に引きずり込まれます。そこにはぽつんとお城があり、こころの他に6人の少年少女がいました。そしてこころ達7人は願い事を叶える鍵を探すミッションを言い渡され、そこから7人の関係が始まります。
物語が展開するにつれて、7人がどういう理由でかがみの孤城に招かれたのか、それぞれにどんな背景があるのかが明かされていきます。それぞれのキャラクターはとても苦しい状況にいて、他者との関係に悩み、自分の中の恐怖と闘う様子が描かれています。キャラクター達と同世代のティーンが感情移入できそうなのはもちろん、大人が観ても心に刺さるものがあります。今こころ達のように悩んでいる方にも観て欲しいし、子ども達が日常でこんなに闘っているんだということを改めて知り、客観的に状況を見つめるために、特にお子さんがいる方や教育の現場で働く方にもオススメします。また、誰が観てもどんな人間でありたいかを考えるきっかけになり、勇気をもらえると思います。いろいろな意味で観てよかったと思えた作品です。

デート向き映画判定
映画『かがみの孤城』

身近だからこそいえないことってあると思います。言えずに自分の中でため込んでいて辛くなることも多々あります。こころ達が抱えている問題とは異なったとしても、本作をきっかけにお互いに言えずにいることがあるなら、打ち明けるきっかけにできるといいですね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『かがみの孤城』

キッズやティーンの皆さんはキャラクター達の奮闘を等身大で観られると思います。今もしかしたらこころ達と同じような悩みを抱えている人がいるかもしれません。とても辛い状況だと思いますが、こころ達がどんな結末を迎えるのかを知って、少し希望を持ってもらえたら嬉しいです。また、どんな選択肢があるのかヒントになる部分もあるのではないでしょうか。

映画『かがみの孤城』

『かがみの孤城』
2022年12月23日より全国公開
松竹
公式サイト

©2022「かがみの孤城」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト HERE 時を越えて【レビュー】

映像作家としてあらゆる挑戦を行ってきたロバート・ゼメキス監督は、本作でも新たな挑戦の成果を見せてくれています…

映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング アンジェントルメン【レビュー】

本作は「近年機密解除された戦時中の極秘ファイルを後ろ盾にしたダミアン・ルイス著 『Churchill’s Secret Warriors: The Explosive True Story of the Special Forces Desperadoes of WWII』」を原作としており…

映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年3月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年3月】のアクセスランキングを発表!

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト
  2. 映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング
  3. 映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬
  4. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  5. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP