いや〜観ただけでかなり体力を消費するエネルギッシュな作品というか、クレイジー過ぎます(笑)。前作もかなり灰汁が強いストーリーでしたが、今作は半端ない灰汁の強さです。松坂桃李が演じる日岡もすっかり一匹狼になって人が変わってしまっている姿にも驚かされつつ、鈴木亮平が演じるとんでもなくクレイジーで恐ろしいキャラクター、上林が登場したことで、終始緊張感が走ります。この上林が本当に怖くて、鈴木亮平が演じているキャラクターだとわかっていながら、ホンモノではないかと思うくらいの迫力を感じます。この上林というキャラクターにかなり圧倒されるのですが、そこで日岡がどんな闘いぶりを見せるのかが見どころとなっています。そこまではやらないだろうという予想を遥かに何度も超えてきて、最後まで読めない展開にずっと引き込まれますよ。役者同士の演技バトルという視点でも存分に楽しめます。
そして、クレイジーなのは警察も同じで、国家権力が背景にある人間達もいかに無法地帯に染まっているかを実感します。本作を観ていると、何が正義で何が悪か、真相を知れば知るほどわからなくなってきます。クライマックスでは、予想外のところでぞっとさせられる展開もあり、最終的に人間って怖いと思えてきます。ぜひ本作を観て震えてください。
デートで観て気まずいというよりは、ビジュアル的にリアルに痛々しいシーンがかなり出てくる点で覚悟が必要です。普段あまりバイオレンス映画を観ない方を誘おうとしている場合や、初デートでは避けたほうが無難です。また、無茶ばかりするパートナーだけどなかなか別れられない方も、本作から何らかの刺激を受けるかもしれません。という諸々の事情から、1人でじっくり観るか、映画好きの友達と一緒に観ることをオススメします。
15歳以上のティーンは観られますが、かなり刺激が強いのと、トラウマになりそうなシーンも出てくるので、精神的に鍛えられてから観るほうが良いでしょう。普段は好感度の高い役者さんが、本当に恐ろしいキャラクターに変貌しているので、その演技力の高さを存分に堪能できます。そういった意味では、映画を好きになり始めて、そろそろ“LEVEL2”に進みたい人はチャレンジしてみると良いでしょう。本作もLEVEL2なだけに(笑)。
『孤狼の血 LEVEL2』
2021年8月20日より全国公開
R-15+
東映
公式サイト
©2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会
TEXT by Myson