超実写版と謳っているだけあって、動物が驚くほどリアルでこれが全部CGだとは信じられません。CG技術の進化とジョン・ファヴロー監督を始めとするスタッフの能力の高さを実感します。1994年のディズニーアニメ版『ライオン・キング』ほか、劇団四季のミュージカルなど、あらゆる形で愛されてきた“ライオン・キング”は、今では誰もが知っているストーリーです。ジョン・ファヴロー監督は来日した際「僕としての挑戦は、この物語を自分自身が受け継いで、いかに今の新しい世代のためにアップデートできるかということでした。(中略)ゲームエンジン、バーチャルリアリティ(VR)、こういったものを駆使しまして、100%登場してくるキャラクターや背景は本物に見えるかも知れませんが、すべてコンピューターで作られていてすごい作品になっているんです」と話していました。まさにストーリーがわかっていても新鮮さを持って楽しめる作品になっていて、若い世代はもちろん大人でも驚くべき体験ができます。
音楽は1994年アニメ版と同じく、ティム・ライス、エルトン・ジョン、ハンス・ジマーが手掛けていてお馴染みの曲が流れる嬉しさがあるのはもちろん、“唐突に歌い出すミュージカル”という感じは少なく、自然に歌に入る演出が観ていて心地良いです。字幕版の声の出演は、ドナルド・グローヴァー、ビヨンセと歌唱力もお墨付きのキャストであるのが嬉しいところ。物語のなかで癒し&笑い担当のプンバァ(イノシシ)は字幕版ではセス・ローゲン、日本語吹き替え版では佐藤二朗が演じており、お笑い芸人“ミキ”の亜生がティモンの声を演じているのも注目ポイントです。どこをとっても間違いない作品となっていますので、期待を裏切りませんよ。すっごくカワイイ子どもシンバにも癒されてください。
ストーリーを知っている方も多いので、安心して映画デートに誘える作品ですね。大人でも見応えのあるクオリティなので、年齢を問わず楽しめます。ミュージカル映画が苦手という人もいるかも知れませんが、この作品はミュージカルシーンがとても自然な流れで入っていて、よく知られている曲ばかりなので、それほど抵抗なく観られると思います。
主人公シンバの幼い頃から大人になるまでの成長物語で、皆さんの世代が観て共感できる部分がたくさんあります。親子の絆、友情、恋愛、自分のルーツ、責任、そして生と死、世界との繋がり…と、人間も同じく必ず経験する普遍的なテーマがたくさん盛り込まれていて、これから生きていく上での教訓や、良い刺激を受けられます。数ある映画の中でも、子どもの頃に必見と言っても良い作品です。
『ライオン・キング』
2019年8月9日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson