2015年6月27日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト
本作は、若年性アルツハイマーになってしまった主人公のアリスと家族の物語。誰にとってもこの病気に冒されることはショックが大きいのはもちろんですが、高名な言語学者で大学教授というアリスのキャラクター性からすると、さらにショックが大きいだろうなと、ジュリアン・ムーアのリアルな演技でひしひしと伝わってきました。生活の様子を映した一コマでも、特にトイレを探すシーンはとても生々しくて、アリスの状況を疑似体験する感覚である種の緊張感をずっと持ちながら見入ってしまいました。また、若年性アルツハイマーのほとんどが遺伝が原因だということを本作で知りましたが、この作品は主人公だけにフォーカスしているのではなく、家族について描いている点でとても深いストーリーになっています。最初は母親が若年性アルツハイマーになったという問題だけだったのが、遺伝する可能性があると言われ、子どもたち自身の問題にもなってくるわけですが、その残酷な運命を突きつけられても家族の絆は壊れないでいられるのかというテーマも興味を引きます。そして何よりもその結論を物語るようなラストのアリスのセリフがとても感動的で、本作が投げかける壮大な問いへの答えを言い表しており、とても深いなと思いました。人間の意識という次元を越えた愛の深さを描いた本作は、老若男女問わずオススメです。 |
テーマはやや重いので、その日のムードによって選ぶべき作品ではありますが、愛する家族との絆を描いた物語なので、これからずっと一緒にいたいと思うくらい本気の相手と観て、「もしどちらかがこうなっても、一緒にいられるだろうか」とシミュレーションしてみるのも有意義だと思います。もちろん気合いだけで乗り切れるような簡単な状況ではないですが、本作で描かれる家族愛からは勇気をもらえると思うので、家族、夫婦という存在の重要性について、前向きな気持ちで観て欲しいと思います。 |
キッズにはまだ難しい内容なので、中学生以上にオススメです。「もしも自分のお母さんが若年性アルツハイマーになってしまったら…」という想像は、まだ若い皆さんにはショックが大きいかも知れませんが、お母さんの偉大さがしみじみとわかる物語なので、ぜひ観てみて欲しいと思います。健康であることはとても有り難いことで、だからこそ今から家族をお互い大切にしようと思ってもらえたら嬉しいです。 |
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2015.6.23 TEXT by Myson